複雑・ファジー小説

Re: ブレイズ・ブレイク! 〜時渡り編〜 ( No.17 )
日時: 2011/11/10 22:23
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: 3IH6VK8y)

第一章〜時渡り編〜
 ACT4「本部」



シュナは目の前で繰り広げられる抗争を、ただただ何も言えずに見守っていた。
隣では、リンとその弟──センが苦笑いで眺めている。
その間にも、抗争はどんどんヒートアップしていく。始まりはシュナがここ、「レジスタンス」の本部につれてこられたことだった。

       ●

黒髪の少年を先頭に、リン、シュナ、ルカと瓦礫の山を一列に進んでいく。これからレジスタンスの本部に向かうようだ。

「だけど、カイトはまた飛び出してきたの?怒られない?」

心配そうにリンが少年を窺う。黒髪の少年はカイトと言うらしい。心配そうなリンを押しのけ、カイトは叫んだ。

「あのなぁ! 俺が倒さなきゃ、本部は壊滅だぞ?! そんな甘い考えだから計画も進まね……いっ」

が、叫びは途中で強制的に止められた。カイトは地面で悶えている。
その背後には一人の少女がツインテールを大きく揺らして、仁王立ちしていた。

「あんたがそうやって突っ走るから、こっちはどんだけ大変な思いしていると思ってんの?! っと、おかえりー。リン」

少女はリンを見つけると即座に駆け寄ってきてリンに抱きつく。リンが少しよろけたが、ルカが背後で受け止めた。
ぎゅうっとくっついて、一向に離れる気配のない少女を引き剥がすようにシュナは声をかけた。
……ちなみに、カイトはみんなから忘れ去られていた。

「こんにちわっ!シュナです」
「アリュルカって言うんだ。ルカでいいよ」

シュナにあわせてルカも自己紹介をする。目をぱちくりさせた後、少女はシュナとルカの手を握り、大きく振った。
残像が見えそうな勢いで振り続け、

「あなたたちが、リンが連れてきた子たちだよね! 自分の時代を離れるのはつらいと思うけど、よろしくね!
 私は、カノン。技術者よ」

と、そこまで言ったところでカノンは二人を改めて見る。
──二人は見事に酔っていた。

「カノン。さすがに可哀想だから早く本部行こ?」
「お前最悪だな」

カイトは蹴り飛ばされた。

「こっち来たばっかなのに、戦闘してたしね。連れて行こうか」

言ってカノンはカイトを見た。有無を言わせない満面の笑みで。
その表情を確認したとたん、カイトの表情が凍りつく。

「お前……!」

もう一度カイトは蹴り飛ばされた。

       ●

本部についたカイトとカノンは、シュナたちをベットに寝かせるとその場で言い合いをはじめ……

「で、あれなの?」
「うん……」

まぁ、なんか雰囲気からしてそんな感じの二人だもんねぇ。
シュナはますますヒートアップしていく二人を眺めながら、そんなことを思う。この場合は止めなきゃならんのだろうが、止め方が分からないと言うのが本音だ。
殊更口げんかとあっては。

「けど、ほんとどうするの?」

シュナの純粋な疑問は空気に溶けていく……。と思われたが、思わぬところで答えが返ってきた。
リンの隣。センからだった。

「多分ザイゴなら止められると思うけど、今はユマと出てるから……」

不安そうにリンを見上げる姿は、姉に守られる弟そのままだ。
心配を拭うようにリンは、頭を撫でた。

「だいじょうぶ」
「……うん」

微笑ましいなぁ、なんて考えつつ二人を見ていたシュナだったが、ふと、気配が近ずいてくるのをかんじた。
随分と体が大きな人のようだ。

「もうー。喧嘩はだめでしょ?二人とも」
「君たち……本部を壊すきか?」

開け放たれた扉に現れたのは、二人の人間だった。






・・・・・・━━━あとがき

どうしても少なくなります。どうも花影です
なんていうか……
文がおかしいところがいくつかあると思いますが、ご了承ください。
次回からオリキャラさん達が大活躍です(笑