複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・。 『900参照突破。』 オリキャラなど募集 ( No.128 )
- 日時: 2011/11/29 21:40
- 名前: ヒトデナシ (ID: j553wc0m)
--------第十三幕『もしも俺が吸血鬼の世界に行ったのなら・・・・・。』--------
「パート1。」
夕方になった。時間は午後六時ぐらいだ。
辺りは薄暗くなり、人の数も少しづつ少なくなり始める。
私は先ほどまで、レポートを作成していたのだ。
-----------だが、どうやら私は後をつけられてたみたいだ。今日ずっとね。
「-------------何者だ? 俺になにか用か?」
黒川は薄暗い一本道で『そいつ』に話しかける。
そこには自分と『そいつ』以外は誰もいない。まさに二人だけの空間が広がっているようだ。
---------否、人は『俺だけ』だ。『そいつ』は・・・・・
「----------お前・・・・『人間』じゃないな?」
黒川にははっきりとした確信があった。それは・・・・・、
「さっきから俺の頭にテレパシーを送ってきているのは・・・お前だろう? それに---------
------------顔が『緑色』の人間なんているわけないもんなぁ?」
黒川はゆっくりと『そいつ』の方に振り向く・・・・。
『そいつ』は全身にマントを被っている。この状態では身体はおろか、顔さえも見ることもできない。
「・・・なぜそう思うのですか?」
「私は目がいい方でね。一瞬だが見えたのだよ。」
「・・・キキッ。なるほど。さすがですね。」
静かに立ったまま、両者は動かない。
---------いや、何もできないのだ。黒川にとっては相手は『未知数』だからだ。
「--------分かりました。キキッ。私も正々堂々としましょう。」
そう言うと、ゆっくりとマントを脱いでいく・・・・。
その姿は・・・・まさしく『人間』とは程遠い姿。
全身は緑色。姿はまるで大きなコウモリだ。背中に羽根が生えている。
顔はまんまバケモノ。身長はかなり高い。2メートルほどか。
「想像以上だな。興味が出てきたよ。」
「キキッ・・・・・それはどうも。では用を済ませましょう。」
「・・・なんだ?」
「簡単ですよ。キキッ・・・・私の質問に答えてもらいたいのです。」
コウモリ姿の『そいつ』は不敵に笑い、黒川を見つめる。
-----------やれやれ・・・・嫌な予感しかしないな。
「キキッ・・・貴方が・・・・黒川君で間違いないですね?」
------------狙いは俺か。やっぱりな。
「・・・俺だ。だとしたらなんだ?」
「キキッ・・・・簡単ですよ・・・・。私が作った世界に来てもらいたいのです。」
-----------おいおい。それに乗るやつがどこにいるんだよ。
こいつの狙いは大体分かっている。狙いは・・・『俺の排除』だろうな。
------------なんで分かるって? おいおい、こんな邪悪な気を出しているやつが良い奴なわけないだろう?
まずよく考えてみるといい。
なぜこいつは『俺の能力を知っている』のだ?
なぜ俺が『もしもの世界に行けるを知っている』のだ?
---------答えは簡単だ。誰かが教えたからだろう?
だとしたら、俺を狙ってきていると考える方が普通だろう?
「----------俺がそんな誘いに乗ると思うか?」
「キキッ・・・キミにとって研究の進歩に繋がると思うがね?」
「だとしてもお前とは行かないよ。悪いが帰るよ。」
黒川はそのまま立ち去ろうとするが・・・、
「キキッ・・・・キミに『拒否権がある』と誰が言ったのかね?」
『そいつ』は指を『パチン!!』と鳴らす・・・!!!
「・・・・ッ・・・? なんだ・・これ?」
瞬間、黒川の目から・・・光は消えた。何も見えなくなった。
否、真っ黒の霧が黒川の身体を覆ったのだ・・・!!!
「ちッ!! く・・・くそ・・・!!!」
どれだけかき分けても、霧が晴れることは無かった。
まるで自分が、どこかの異空間に閉じ込められてるようにさえ思えた。
そして・・・・・・・気が付くと、
「---------おいおい。俺は一体・・・どこに連れてこられたんだ?」
辺りは真っ暗の夜・・・・。空にはコウモリやカラスが飛び回る。
まるでどっかのディズニーの世界のようだ。不気味な鳴き声や空気が常時漂っている。
そして・・・・今、黒川がいる場所は・・・・・・、
「・・・・やれやれ。嫌な場所だな。」
-------------そこはたくさんの墓が置かれる墓地だった・・・。