複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・。 『1100参照突破』 オリキャラなど募集 ( No.155 )
- 日時: 2011/12/03 22:53
- 名前: ヒトデナシ (ID: j553wc0m)
「パート3。」
ゆっくりと近づいてくる『そいつ』は、明らかに俺に敵意を示しているだろう。
----------なんで分かるかって? 銃を向けてくる奴が、「お友達になりませんか?」なんて言うと思うか?
言わないだろう? 奴は俺から銃の照準をそらさないのだ。逃がさないためだろうなぁ。
黒川の前まで来ると、ふと『そいつ』は口を開いた。
「・・・・貴様はゾンビではないらしいが、何者だ?」
『そいつ』は変わらず、俺から銃の標準をそらしてはくれないみたいだ。
-----------俺にとってはお前が何者か聞きたいけどな。てことで・・・・、
「・・・おいおい。人に名前や何かを尋ねるときは、自分から名乗るもんだと習わなかったか?」
「・・・ふざけるな。質問しているのは俺だ。」
「ふざけたつもりはないんだがなぁ。」
といった感じで、私は少し相手の様子をうかがってみる。
---------ふむ・・・。すぐに撃ってこないとこを見ると、そこまで悪いやつではなさそうだ。
そう考えていると、『そいつ』は銃を下ろし、
「俺は『葉隠 空悟』(はがくれ くうご)。以上だ。」
と名乗った。ふむ、よかった。とりあえず最悪の事態(戦闘)は、多分まぬがれたな。
「私は黒川。 いいのか? 銃を下ろして。」
「・・・・・・貴様もなんだろう? 『死神』にされたのは。」
---------死神にされた? 何のことだ!?
「・・・死神? 何のことだ?」
「・・・・・・まさか・・・・死神じゃないのか?」
葉隠は冷たい表情で俺を見つめる。
--------いや、葉隠は多分、私に対して驚いていると私は推測する。
でもなんでだろうな・・・・・。奴から『感情』や『表情』が読み取れない。なぜだ?
「----------キキ・・・・彼は死神ではありませんよ葉隠空悟。」
------------この声は・・・!!! あのコウモリ野郎か・・・。
その『コウモリ野郎』は・・・・月を背景にするように、上空を飛んでいた。
それを見た葉隠は、即座に銃を向ける・・・・!!!
「・・・会いたかったぞ。『ハロンド伯爵』!!」
「キキッ・・・おやおや、そんな物騒な物を向けないで下さいよ。」
殺気を向ける葉隠に対し、陽気に笑う『コウモリ野郎』のハロンド。
「・・・私も会いたかったよ。さて、元の世界に戻してもらおうか?」
「黒川様、あなたはゲストでございます。私の大切な--------」
突如、ハロンドが話している時、黒い闇の弾丸がハロンドの顔面の横を横切った・・・!!!
それはもちろん・・・・やったのは葉隠。
「俺を・・・・元に戻せッ・・!!!」
「・・・あらあら。そんな熱くならないで下さいよ、葉隠様。それに、元に戻ったらキミは『この世には戻れない』ですよ?」
----------『この世に戻れない』!? どういうことだ!?
「キミはすでにこの世では『死んでいる』。それを私が甦らせてやったというのに・・・・困った子だ。」
「誰も頼んではいない・・・。いいから戻せ!!」
「死神というのもいいでしょう? 当時は『普通の人間だった』キミが、今はこんなに強い・・・。羨ましいですなぁ。」
「・・・・黙れッ!!!」
---------そうか。そういうことだったのか。
葉隠は、すでにこの世では死んでいて・・・・それをハロンドが甦らせた。
そう・・・・・『死神』として。だからあんな力を・・・。
--------やれやれ。人にはいろいろ事情があるものだなぁ。
「貴様はここで・・・・俺が倒す!!」
葉隠はゆっくりと二丁の銃を構える・・・・!!!
「・・・悪いがその戦い、私も参加させてもらうよ。帰りたいからな。」
黒川も手をポキポキと鳴らし、ハロンドをキッと睨む・・・!!!
「キキッ・・・・今日のご飯は豪華そうだ・・・。」
--------------ハロンド伯爵の顔は、まさしく獲物を狙う『ライオン』のような顔に変わっていた・・・・。
----------------第十三幕 完-----------------