複雑・ファジー小説

Re: もしも俺が・・・。 『最後の一撃!!』 オリキャラなど募集 ( No.190 )
日時: 2011/12/11 16:26
名前: ヒトデナシ (ID: j553wc0m)




          「パート3。」







   -----------場面は変わり、ここは黒川が住む世界の『どこか』。







     そこはよく月が見える丘の上だった。
   時間は夜。月の光で照らされた町が、その丘からはよく見える。

  空を見れば、手を伸ばせば月が届くのではないかというほど、身近に見える月。








  ---------そこに、白衣を着た男がただ一人、呆然と月を見ていた。



 男は、ただただ月を見ていた。特別何かしているわけでもない。





  ----------ふと、その背後から、闇が晴れる様に『だれか』が現れた。





  男は振り返ろうとはしない。ずっと月を見つめたまま、




    「--------よぉ。帰ってきたのか。どうだったよ?」



  男は現れた『だれか』に問いかける。その『だれか』は男の背後からゆっくりと近づいていく・・・。

















    「・・・・『彼』は想像以上でしたよ。キキッ・・・・。」









  ----------闇から現れた『だれか』、ハロンドはその男に言った。







    「・・・・おーい。なんだよ。殺さなかったのか?」


    「キキッ・・・・『殺せなかった』のですよ。」


    「おいおい・・・まさか、『ほぼ不死身』であるお前が死にかけたとでも言うのか?」





  男は冗談だろ、といった口調で問いかける。それに対してハロンドは・・・・・、





   「・・・ええ。危ないところでした。直前で、私の身体の一部をコウモリに変えて逃がしておいて正解でしたよ。」


   「・・・そんなにかよ? 『あいつ』は『一つ』を除けば、ただの人間だぞ?」


   「キキッ・・・その『一つ』が恐ろしいのですよ。それによって『彼』は、人とどんどん繋がっていくのですから。」


   「おいおい・・・『あいつ』ってそんなに強いのか?」


   「いえいえ。『彼』自身は大したことはありません。私が殺されかけたのは別の事情ですから・・・・キキッ。」






  男は「ふーん。」といって、ハロンドに背を向けたまま、その場に座り込んだ。


















   「キキッ・・・・それにしても、あなたから聞いた『彼』とは、ずいぶん違いましたよ・・・・・・『ガロン』。」

















  ---------その男、『ガロン』は「はっはっはっ。」と笑い、





   「------そりゃそうさ。だって俺はお前に、『あいつは確かに危険だ。』としか言ってないからな? はは。」


   「・・・危険といわれれば、普通は『強い』というとらえ方をするのが当たり前でしょう? キキッ・・・・。」


   「おいおい、それじゃあ『あいつ』は『弱い』と言ってるようなもんだぜ? ちげぇちげぇ。」





  ガロンはスッと立ち上がり、やっとハロンドの方を見る・・・。










   「『あいつ』・・・・黒川は、この物語の『鍵』となる奴さ。それがいかに『強い』か、もう聞いたし知ってるだろ?」


   「・・・・ええ、確かに。『わが王』もそう言ってましたしね。キキッ・・・。」


   「そう考えると・・・・『わが王』はすげぇな。予知能力でも持ってんのかよ。」






  ガロンは相変わらず陽気に笑う。ハロンドはそれを見て、『楽しそうですね。キキッ・・・。』と言う。







    「--------もうすぐだからな。俺たちの『計画』の始まりはよ・・・・。楽しみだぜ。」


    「キキッ・・・ですがその障害となるのが、『鍵』である黒川。そして・・・・・霧島と水島、でしたっけ?」


    「おおぉ〜よく覚えてたな。わりぃ。俺は忘れかけてたわ。」


    「・・・ガロン。あなたは本当にダメですねぇ。キキッ・・・。」


    「そういうなよ〜。・・・そうさ。その三人が、この物語の『鍵』だからな。一番の敵は奴らさ。」








  ガロンはもう一度、月の方を見て、ゆっくりと月に向かって手を伸ばす・・・・。

















   「--------もうすぐ開戦だ。まってやがれよ。選ばれた三人のガキどもめ。」




















    -----------闇が・・・・刻々と迫っているッ・・・・・!!!!













      ---------------第十五幕 完-----------------