複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・。 『1700参照突破』 オリキャラなど募集 ( No.213 )
- 日時: 2011/12/16 20:14
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
「パート2。」
「ところで・・・・その『柿原』(カキハラ)は今どこにいるんだ?」
黒川はこの場にいない柿原の居場所を、紫苑に尋ねる。
「うーんとね・・・・多分その辺にいると思うよぉー。ところでさぁー黒川クン。学校は楽しいー?」
紫苑は軽い調子で黒川に聞く。
--------このノリの軽さは相変わらずだな。変わっていない。
「ああ、楽しいさ。紫苑はどうだ?」
「ボク? ボクは全然ダメさ。やっぱねぇ、黒川クンみたいな人間ってなかなかいないんだよねぇ。」
---------俺みたいな人間? どういうことだ?
「だってボクってさぁ、『タロット占い』とかしてるじゃん? ボクの結構当たるから、みんな気味悪がるんだよー。まぁ、仕方ないけどさ。」
そう。彼女(紫苑)は、タロット占いの名人なのだ。
---------私もよく占ってもらったものだ。未だかつて、外れたところを見たことがないよ。
「だからさぁ、黒川クンみたいなのは珍しいよー。こんな不思議ちゃんを相手にしてくれるんだからさ。」
「そんなことないさ。お前は俺の友達。それだけだよ。」
「わーお!! かっこいいねぇ。クールなのも相変わらずだねぇ。」
「あのなぁ・・・・。」
--------相変わらず彼女と話してると、自然と心が安らぐな。
いつもそうだったなぁ。私はよく『タロット占い』と、このいつもポジティブな性格に助けられたこともあったよ。
「だから今は祖母の家で修行中なの。学校に行くのはテストの時ぐらいかなぁ。」
「・・・そういえば、柿原も同じ学校だったな?」
「うん。彼ぐらいかなぁ。一緒にいてくれるのはねー。そのおかげで彼も仲間外れにされちゃってるし。なんか申し訳ないよ。」
紫苑は暗い表情など見せずに、ただ明るく黒川に話しかける。
「でも全然大丈夫!! むしろ慣れてるしねー。まぁ、黒川クンみたいな子がいないことが少し残念かな?」
--------------やめろよ。そんなやせ我慢は。
いつも思う。こんなの不公平だ・・・と。
私は何度も彼女が似たような感じで傷ついているのを見ている。
なんでだ・・・・なんでなんだ? なんで罪のない彼女が傷つかなくてはならないのだ!?
----------そんなの・・・・あまりにもかわいそうではないか。
彼女は決して悪い子ではない。むしろいい子だ。それなのに仲間外れにされるなんて・・・・おかしい話だ。
だったら・・・・・・だったらッ・・・・・!!!!!
「---------だったら、二人で俺と同じ学校に来いよ。」
黒川がそう言った瞬間、病室の中が静かになったような気がした・・・・。
紫苑はその言葉に、ただ黙り込むしかなかった。
「俺の学校は、みんな良いやつばかりだ。きっと仲良くなれる。」
「でもッ・・・!!」
「俺はお前の親友だ!! お前が苦しんでいれば・・・・助けたくもなるのは当たり前だッ!!!」
思わず大きな声で言ってしまった黒川。それに一番びっくりしたのは、自分自身だった。
「・・・・すまない。大きな声を出しすぎた。学校のことは心配はいらない。俺がなんとかするから。」
「黒川クン・・・」
---------これが紫苑のためになるのかどうかは私には分からない。
だけどそれでも・・・・今よりかは楽しい生活を送れるはずだ。
「なぁ紫苑、もう一度俺と-------------
----------楽しい学校生活を送らないか?」
黒川はニコッと笑い、紫苑に言った・・・・・・。
その言葉に一瞬戸惑う紫苑。だけどすぐに笑いだして、
「・・・・相変わらずだねぇ、黒川クンは。何そのプロポーズみたいなセリフ。聞いてるボクが恥ずかしいよ。」
「・・・そう言うな。こっちは思ったまま伝えただけだ。」
「・・・・・ふふっ。」
「笑うなよ・・・。で? 答えはどうなんだ?」
黒川は紫苑に聞く。紫苑は少しクスッと笑ってから、
『よろしくお願いします。』
---------と、言った。
「・・・・あのなぁ、その答え方じゃあ本当に『プロポーズ』みたいだろうが。」
「あははッ、そうだねぇー。何? ボクじゃあダメなの?」
「・・・俺はもうすでに決めているんだ。悪いな。」
「ちぇッ、つれないやつー。」
-------------二人の笑い声が、病室の中で響き渡った・・・・・。