複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・。 『2900参照突破』 オリキャラなど募集 ( No.296 )
- 日時: 2012/01/11 23:15
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
「パート3。」
『魔女』、レディアの姿はもうすでになかった。
黒川達にとっては、いろいろと謎が多く残った戦いであった。
そのせいかこの世界を救ったというのに、なぜかスッキリとした気分ではなかった。
だが、考えても仕方がない。とりあえず黒川達は静かに座って、元の世界に戻るまでの時間を雑談に使うことにした。
「--------ところで、お前たちはなぜレディアと対立してたんだ?」
霧島はフィーダに首をかしげて聞く。それを聞いたフィーダ、そして那拓はお互いに顔を見合わせた。
よく見ると、悲しそうな表情をしている。何かあったのだろうか。
「---------私たちの両親は・・・・あいつに殺されたんだ。」
フィーダは静かに語ってくれた。自分達の辛い過去を・・・。
それを私たちは真剣に聞いた。そして知った。彼らの過去を・・・。
レディアがこの世界に来たのは、ごく最近だったらしい。
彼女はこの世界に降り立つと同時に、一斉にモンスターを支配した。そして怪しげな実験を始めた。
その実験の詳細は分からないみたいだが、実験を受けたモンスターは以前よりも凶暴性を増したと、スラリンは言っている。
--------その数日後、凶暴になったモンスターがフィーダ達が住んでいた町を襲ったらしい。
町にはある細工がされていて、普通ならモンスター達が近づいてこれないようになっているのだが、
その日は別だった。その細工を簡単にすり抜け、町を崩壊させるほど暴れまわった・・・。
生き残ったのは、フィーダと那拓、そして町の数名の人たち。
その時にモンスターを従えていたのが・・・レディアだったようだ。
「--------そういうことだったのか。」
話を聞き終えた黒川は、しばしの沈黙の後、口を開いた・・・。
「ねぇ・・・・ハロンドから話を聞いたってことは、ハロンドはまだ生きているのかな?」
水島は黒川に聞く。黒川は「そうなるな・・・。」と静かに返した。
葉隠が倒したとてっきり思っていたが・・・・しぶとい奴だなぁ。
「なぁ黒川、レディアがどこに行ったかわからないか?」
那拓は黒川に聞くが、黒川は首を横に振って、「分からない。」とだけ返した。
そんな話をしていると、霧島は、
「・・・だぁぁーー!! 止めようぜこんな話。分からないことをグチグチ言ってても仕方ねぇだろ? スラリンの世界が助かったんだ。それでいいだろ?」
と言って立ち上がり、背伸びするように身体を伸ばす。
暇なのか、軽いストレッチまで始めてしまった。
----------まぁ、確かにそうだな。今はまだ気にしないことにしよう。
「----------本当にありがとうスラ!! 君たちには本当に感謝してるスラ。」
黒川達の帰りの時間が来たようだ・・・・。
スラリンはピョンピョンと飛び跳ね、嬉しさを必死にアピールしていた。
元に戻った仲間たちも表情は読めないが、笑っているように思える。
「また来いよ黒川ぁ、霧島ぁ、水島ぁ!!!」
「私達は待っているからな。」
スラリンや仲間達と共に、フィーダと那拓も黒川達の帰りを見送った。
笑顔と別れの言葉を残して、黒川達は元の世界に戻って行った・・・・。
「------------で、結局こうなるわけか。」
黒川達は、確かに元の世界に戻ってきた。だが・・・・・・、
「・・・知るか。気付いたらこんなところにいたんだ。」
「よぉ、また会ったなぁ。HAHAHA!!」
----------フィーダと那拓がこちらに来ていたのだ。もう皆様にとてはさすがに定番になってしまったなぁ。
「せっかくだしこの町を案内してくれ。水島。」
「うん!! よろしくねフィーダちゃん。」
「じゃあ行こうぜ霧島〜!! HAHAHA!!」
「おい!! 勝手に行くな那拓!! 迷子になるだろうが!!」
--------やれやれ、いつの間にこんな仲良しになったんだ?
まぁいいか。さて、今は何時かな?
そう思い、黒川は左手首に着けている腕時計を見る・・・・。
「・・・・ッ!?」
-----------------瞬間、黒川の頭は混乱した。
少し時計を見続けた後、すぐさまポケットに入れてあったストップウォッチを見る・・・・。
このストップウォッチは、違う世界に行ったときに残り時間を確認できるように、常時持っているものだ。
違う世界に入った瞬間作動させているため、もちろん今は大体『30分』を示しているはずなのだが・・・・、
00:41;56
---------41分!? なぜだ!? おかしいぞ!?
壊れているわけではない。いたって正常のはず・・・・・。
単純に押し間違いか? 別に気にすることでもないのだが・・・。
『--------闇はもうじき来る。その変化にいち早く気付くのは・・・・・『力』を持つ君だよ。』
-------------まさか・・・・な。
---------------第十八幕 完-----------------