複雑・ファジー小説

Re: もしも俺が・・・。 『小ネタは大事。』 オリキャラなど募集 ( No.49 )
日時: 2011/11/11 21:23
名前: ヒトデナシ (ID: j553wc0m)


           「パート3」


 


      『王』はいつも孤独だった。
 
      『王』は本当は友達が欲しかった。



  
  -----------だが、それは叶わなかった。

    理由は、『身分の壁』。『王』はいつも一人。

  


   『王』は苦しんだ。そして、ある答えにたどり着いた。


  自分をこんな運命に決めつけた製作者であるティアナに・・・・













  --------------復讐してやる、と。














    「そういうことだったんだね・・・・ごめんねッ・・。」





  ティアナは納得した表情で、『王』であるナンバーゼロを見つめる。

 彼女はなんとなく分かったみたいだ。なぜここまで自分を恨んでいるのか・・・。



    「でも・・・ごめんね。きみを壊さないと、他のアンドロイドたちが救われないのぉ・・・。」




  そう言いつつ、彼女はポケットから何かを取り出した。

 それは、普通に見ればただのハンコ。だが、ティアナはそのハンコを指さして、




    「これをきみに押せば、きみは完全に停止してしまうのぉ・・・。」




  彼女は悲しい表情を浮かべていた。それもそうだろう。
  
 本当ならこんなことなどしたくないはず。だが・・・仕方ないのだ。



  


    「でも・・・安心して。ティアナはもう誰も孤独にさせないから。きみに約束するよぉ。」




  ティアナは涙を流してはいたが、その表情は明るいものに変わっていた。

  いつしかナンバーゼロも動くのを止め、ただ静かに耳を傾けていた。













    「だからもう一度・・・・・もう一度だけティアナに-----------













































      -----------------あなたのお友達になるチャンスをもらえないかな?」












   ニコッと微笑むティアナ。
  ナンバーゼロには表情を変化させる機能は存在しない。

 だが俺たちにも分かった。彼はニコッと笑い、



















    

      『ア リ ガ ト ウ』



  




         と、たった一言だけ言った。

































    「---------これでよかったのか、ティアナちゃん?」





     霧島は元通りになった世界を見て言う。

  
  やはり黒川達が最初に来た時に感じた暗さは、『王』による洗脳によるものだったらしい。

   今はアンドロイドたちの表情は豊かで、楽しそうだ。





    「---------うん!! ティアナはもう一度あの子を作るの。」

    「あの子?」

   


    霧島は聞き返す。ティアナはニコッと微笑んで、






    「うん!! 今度は----------

















      ---------ティアナのお友達として!!!」 


 



     「・・・そいつは喜ぶだろうな。大切にしてやれよ?」



   優しく微笑んで言う霧島に、『うん!!』と元気に答える。





     「キリちゃんたちは・・・・もう行っちゃうの?」



  悲しそうに聞くティアナ。実は先ほどティアナに話したのだ。 



   
 ----------他の世界から来たこと。そしてもう『タイムリミット』が来ていることをね。





     「・・・残念だがな。でも安心しろティアナちゃん。離れていても俺たちは---------------」



   少しづつ足から頭に向かって消え始めていく身体・・・。


     そんな中、霧島はティアナにニコッと笑いかけ、

























   
    「---------------『心』で繋がっているからな!!!」






























    「---------なんてカッコいい事は言ったけどなぁ。」



      さぁ、帰ってきたぞ。元の世界だ。

    霧島はやはり心残りのようだ。まぁ仕方ないか。





    「なぁ・・・・黒川-------------」











     --------------男の子会議パート2--------------




  「もっかいティアナちゃんに会いに行こうぜ!? なっ!?」

  「なんでだよ!! まだ帰ってきて20秒もたってないぞ!?」

  「いいじゃねぇか!! なっ!? 俺もう我慢できねぇよ!!」

  「・・・しばらくは無理だ。視聴者のために俺はもっといろんな所に行かなくてはいけないからな。」

  「おまっ・・・・親友の熱い『恋の道』を終わらす気か!?」

  「大丈夫だ。問題ない。だからしばらくは我慢しろ。」

  「無理だ!! 俺はもうティアナちゃんと結婚を前提に付き合いたいんだ!!」

  「なっ・・!? 本気か? 速すぎねぇか?」

  「いや、俺はもう決めたぜ。結婚するんだ!!」

  「ケッコンってなあに?」

  「おいおい・・・・まだ彼女とそんなに仲良くもなってないだろう?」

  「そりゃそうだが・・・・・それでも俺は彼女を愛しているんだ!!!」

  「アイシテルってなあに〜?」 

  「ほら、彼女が分かってないだろう?」

  「それは俺が教えればいいんだよ。なぁティアナちゃん?」

  「うん〜!!」

  「あのなぁ、だからって彼女と結婚って・・・・・・・」


































   えええええぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!!!!!!!!













     ----------------第七幕 完-----------------