複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・。 『グレートだぜ。』 オリキャラなど募集 ( No.69 )
- 日時: 2011/11/17 19:23
- 名前: ヒトデナシ (ID: j553wc0m)
「パート3」
戦いは終わりを告げた・・・。
俺や水島はもちろん、後に承太郎さんや花狩先生も、仗助さんの持つ『クレイジー・ダイヤモンド』の治癒能力で無事だ。
--------そして驚いたことに、なんと仗助さんは敵である男の傷さえ治してしまったのだ。
仗助さんいわく、『暴れたらまたブッ殺せばいいんだ。』だと。
・・・正直に言おう。今回は本当に危なかった。
終わった後、水島にこっぴどく叱られたよ。
『もう絶対にムチャしないで!!』
ってな。男としちゃありがたい。愛する女に心配されているんだからな。
---------だがその要求は聞けないな。俺は水島は絶対に守ると決めているからな。
・・・水島には言うなよ?
「-------ん・・・。」
傷が治ったことで、どうやら男は目が覚めたみたいだ。
男はゆっくりと上体を起こし、あたりを見渡す。
「・・・あれ・・? オレ・・・いったい・・・。」
「お前・・・・自分が何したか分かってないのか?」
男に向かって、承太郎は尋ねる。
「・・・? オレ・・・何かしました?」
「・・・どうやら記憶がないようだな。」
男が首をかしげて言うのを見て、花狩先生は苦笑いしていう。
だがそれに不満を持った仗助は男の胸ぐらを掴み、
「テメエなぁ、人を襲っておいて知らねえって・・・・」
「止めろ仗助。コイツはどうやら悪くない。原因は他にいる。」
「・・・でもよぉ承太郎さん・・・。--------分かったよ。」
仗助はゆっくりと男の胸ぐらから手を引いた。
どうやら今の会話でも分かるように、張本人は別にいるようだ。
ちなみに言っておこう。承太郎と仗助は血縁関係にあるのだ。
「---------だが事実は伝えるべきだな。」
承太郎は男に、自分が何をしたのかを順序良く話した。
「-------そんなッ・・・・オレが・・・・。」
男はショックを受けた。自分が人を殺そうとしたことに・・・。
その場に座り込み、絶句する。
「気持ちは分かるけどよぉ〜、それが事実だ。少なくとも黒川達には謝っとけよ。」
仗助は男の肩をポンポンと叩いて言う。
-------ちなみに先ほど、自分たちの自己紹介を終わらせたよ。その時に、男の事情も知った。
彼はどうやら、気づけばこの町にいたらしい。
そして出会った老婆に薬を飲まされた後、意識を失ったらしい。
つまり・・・・元凶はその老婆だ。
男はゆっくりと立ち上がった。何かを言いたいのだろうか?
・・・と思ったらすぐにしゃがんだ。そして、
「-------スマナイ!!!! オレには・・・・そうやってアヤマルことしかできないッ・・・!!!」
男は深々と土下座した。
--------まぁ俺は確かに死にかけたが・・・それでも彼の意思じゃない。
それに事情も分かった。だから・・・・
「--------なぁ、別に謝らなくてもいい。ただ・・・・」
黒川はゆっくりと口を開く。その言葉に全員が耳を傾ける・・・。
「精一杯生きてくれ。いきなりで・・・訳分からなくて大変だろうが、生きてればいつかもとに戻れるだろうからな。」
黒川はフッと笑う。それにつられてみんな微笑む。
「・・・・ありがとう・・・ありがとうッ・・!!!」
男は涙を流す。きっと辛かったのだろう。許してくれるなんて思っていなかったのだろう。
---------だけどこれでいい。『主人公』ってのは・・・・『過去』は気にしないものだ。覚えておくといい。
「--------結局別れのあいさつ言いそびれちゃいましたね。」
水島はふと呟く。
俺たちはすでに元の世界に戻ってきている。
あの後、『タイムリミット』が来てね。
「黒川君、俺は感動したよ。君のような生徒を持って俺は幸せだ。」
--------やめてくれ先生。泣いてしまうではないか。
でも・・・それはこちらのセリフだ。
危険をかえりみず『生徒』のために立ち向かっていくあなたは・・・・
--------間違いなく立派な『先生』だ。本当にありがとう。
-------さて、帰るか。
「オーイ。オレは無視かよぉー。オーイ!!」
-------ん!? この口調はまさか・・・・・、
おそるおそる振り返ると・・・・
先ほど号泣していた男はそこにいた・・・。
---------なんでお前がいるんだよッ!!!!
「おッ、そういえば自己紹介がマダだったなぁ!!」
男は二カって笑い、
「オレの名前はセインだ!!ヨロシクな!!」
と言い放った。
---------いや、自己紹介のタイミング悪ッ!!!
----------------第九幕 完-----------------