複雑・ファジー小説
- Re: .。○天魔の鎖●.. ( No.19 )
- 日時: 2012/05/02 21:53
- 名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: 1EjfiyJS)
第11話 賢者に教えてもらう
バ——ン
ナナはどこかから取り出したフライパンで賢者の頭を殴った。
賢者は椅子から転げ落ち、痛そうに目を開けた。
「なぁーにィ?
私、寝てたんだけど?」
「ミーシャさん。
ここにライオン的な人来ませんでした。
あ、私はナナです。」
「来たわよ?
新聞とりませんかってライオンみたいな……」
「違う!!」
「じゃあなーに?」
「えと、青色と黄色のライオンです。」
「ああ……あいつら……か。
なんか秘法を教えろって言ってたわ。
賢者の秘法を知って何するつもりか知らないけど……爆発で追い払った。」
さっきの爆発はそれか……。
ってことは……さっきまでライオンがいて、魔法使って、そんですぐ寝たの!?
「賢者の秘法って……何でしょう。」
「何でアナタに教えなければいけないのかしら?」
紅い瞳の瞳孔が開いて、私を凝視している。
「わ、私……ライオンを追いかけて兄弟を探しに行くんです。
だだ、だって……、私、ライオンが言ってた私の力ってものにも……。」
その姿が怖くて思わず後さずりしてしまう。
「私を恐れているのに?
アナタにそんなことできるとお思い?
あいつらは私にものすごい力を使わせ、それでも笑っていたのよ?」
「で、でも……」
リュウセイが前へ出た。
「ミーシャ、それぐらいにしとけ。」
「あんたはリュウセイ——。」
ミーシャさん……リュウセイの名前を知ってた。
二人には縁故があるワケではないよね……?
リュウセイ、あなたは本当に謎。
「ミーシャ、お前、ナナがそんなこと言ってやめると思うか?」
「大賢者の一人が言ってるのよ?
そうに決まってるじゃない。」
「ナナはそんなことで諦めるような奴じゃないぜ。
この俺が着いてきたんだからな。」
「そういや、リュウセイは中途半端な気持ちで仲間っていう人には冷たかったわね。」
「と、いうワケで、ナナ。」
リュウセイがこっちを見た。
私はリュウセイが私をかばってくれた事に対して唖然として言葉もない。
「行くぞ。
ライオン、探しに。」
「……うん」
部屋から出ようとしたら、呼び止められた。
「ちょっと、ライオンがどこに行ったか知ってるの?」
「知りません……。」
そういえば知らないなあ……。
道なりに進んでみようと思ったけど。
「はあ……。
ったく、突っ走るのもいい加減にしなさいよ?
私……アナタが行くの、もう止めない。
なんか……すごい力を感じる。
アナタなら……大丈夫よ。」
「…………」
「ライオンが行った場所はユーモ村、忍者が住むといわれているわ。
あと、これ。 魔法よ。
暗影黒歩(シャドウヴェール)足音も気配も完全になくなって姿も見えなくなるわ。
睡眠(スリープ)これはもう分かるわね、寝かせるのよ。」
「え、でも……闇属性は使えません。」
「何言ってるの?
その杖はブイオ(闇)じゃない。
それで闇属性が使えないなんて馬鹿げた話ないわ。」
「ううっ、じゃあ実践!!
深海の闇夜に意識よ、身を委ねん、汝に安らぎを!!
睡眠!!」
「私で実践するのはやめ」
▼ ミーシャは眠った。
「「…………」」
その場から逃げ去ったのは言うまでもない話……。