複雑・ファジー小説

Re: .。○天魔の鎖●.. ( No.23 )
日時: 2012/05/02 21:57
名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: 1EjfiyJS)

第14話                            毒姫様 前篇

(今回は私、汽水が村娘役を担当させていただきます。
 決して名前を考えるのがめんどくさかったわけではありません)

ある夜のこと……
私が山に山菜取りに行った帰り道、道に女人が倒れていました。

私はこのまま放っておくのも何かと思い、担いで村に帰る事にした私。

—家—

両親は都に働きに行っていていないのでこの家には私しかいませんでした。

女人を藁布団に寝かせ、私は残り少ないお米で粥を作りました。
その時、布団からゴソゴソと音がしました。

振り向くと、女人が目を覚まし、金色の瞳でこちらを睨んでいるではありませんか。

「大丈夫ですか?
 粥を作ったので食べれたら食べてください。」

「…………」

「?」

「なんで、こんな私に……、優しくしてくれるの。
 私は紫の髪で……変なのに。」

確かに女人は死を指す紫の髪だったが……。
輝く紫の長髪は美しかった。

「髪の色なんて関係ないと思うわ。
 さ、粥でも食べて休んでください。」

女人が食べ終わった後、私は問うた。

「何というお名前?
 私はキスイ。」

「え……な、名前は……、」

女人が戸惑ったように思える。

「?」

「さ、サキ」

女人の名前は『サキ』というらしい。
なんだか即席で考えたみたいだけど気にしないでおこう。

「サキ?
 可愛い名前ね。

 どこから来たの?」

「山」

「ふーん……」

そしてみんなが寝静まった頃。

私はふと目を覚まし、サキが居ないのに気付いた。

「あれ?」

不審に思い、裏口から飛び出して村を駆け回った。
居ない、どこにもいない。

疲れ果てて家に帰ってみると、サキは藁布団で眠っていた。
???

私が勘違いをしただけなのだろうか……。