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複雑・ファジー小説
- Re: .。○天魔の鎖●.. ( No.33 )
- 日時: 2012/05/02 22:26
- 名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: 1EjfiyJS)
第19話 紅龍と虹龍
「そして紅龍と虹龍は、会えたわけだ。」
「紅龍は願いを叶えて、本物の龍になれたの?」
「なれなかった」
「え……」
物語上おかしくないかそれ。
「虹龍は、自分が龍だと知らなかった。」
「どういうこと!?」
「人間の姿をしていたんだ、虹龍は。」
「……そうなんだ」
バッドエンド、か。
それにしても何で虹龍は自分が龍だって知らなかったんだろう。
暫く黙り込んで歩いていると、紫の光が見えてきた。
「……光」
行ってみると、祭壇があった。
そこには七色に輝く……光。
隣には杖。
「私の杖だ!!」
杖が見つかって喜んでいると、リュウセイが、
「俺の、力の結晶。」
と言い、七色の光を掴み、胸に押し込んだ。
リュウセイの中に光が吸い込まれていく……。
その光景があまりにも美しい。
鮮やかな七色の光がリュウセイの中に入っていくのが……とてつもなく美しかった。
何故……、私の目にはこんなにも美しく映るの?
『いたか?』
『いや、いない』
……あの声!
ライオン達の、声……。
「ライオン達がきたんだ」
「……どうしよう」
「逃げる。」
リュウセイが私の腕を掴み、走り出した。
『出口が分かるの?』
『ライオン達にバレちゃうよ』
そんなことはどうでもよかった。
とにかく逃げなければ、私達に生きる道はない。
走って走って、日の光が見えてきた。
私達はそのまま走り、外へ出た。
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