複雑・ファジー小説
- Re: .。○天魔の鎖●.. 参照300突破、ありがとうございます! ( No.54 )
- 日時: 2012/05/07 18:22
- 名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: iAb5StCI)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/186png.html
第22話 闇の恐怖
「っ……!!」
後ろから血が出ている所を掴まれた。
またいきなりっ……。
何なのよっ!!
「ここに居たのか。」
!?
ま、待って……。この声ってまさか……。
「探すのに苦労したぜ。」
青ライオンと黄ライオン……!?
「……!!」
振り向くとやはりライオン達がいた。
恐怖で声が出ない。
「こんな所に居たとはな。
見たところあの剣士もいないし……ラッキーだったぜ。」
「さあ、連れ帰ろう。」
や、やだっ……。
「〜〜っ!!」
出て、声出てよ!!
「……やめてっ!!」
「黙れ」
「教えてよ……。
あんた達、一体何の狙いで私を襲うの?
私に力なんてないじゃない!!」
「……教えてやろうか。」
「教えてよ!! 理不尽じゃない」
「……オレ達はレイとコク。
お前を狙う理由はな、」
「何……なのよ。」
「そんなに知りたいのか?」
なんでそんなに渋るの?
スッと教えてくれればいいじゃない……。
「知りたいから聞いてるの!!」
「それはお前が……。」
バンッ
お腹に鉄拳が炸裂した。
「いっ……。」
「——天魔、だからだ。」
て、……ま。
てんま?
「世界を滅ぼす力をあの方はお求めになっているのだ。」
何発もお腹に鉄拳を食らわされる。
「……だからっ……、力なんてな……。
てん……なんかじゃないっ……。」
口から血が飛び出す。
「……本当だ」
「……嘘よっ!!」
ガンッとレイを突き飛ばした。
「そんなの嘘よ!! 私は普通の人間だもの。
兄ちゃんをどこへやったの?
返してよ、アルスとルッツを!!」
なんとか立ち上がり杖を振りかざす。
「……あいつ等は」
「どこどこどこにいるの!?」
狂ったように何度も言った。
私の大切な兄ちゃん達は……今どこにいるのよ!!
「もう死んでいるだろう。」
——……。
「……嘘。」
震える声で言う。
さっきまで狂っていたのに……私は震えているんだ。
だって、そうだよ。
何を言いたいのかも……もう分からない。
信じたくないと思う事だけで精一杯……。
「何で嘘をつかなければいけない。」
「嘘、だよ。
あんた達の言う事なんて……信じたくない……。
信じないっ!
ここであんた達を倒して兄ちゃん達を見つけるんだから!!
虚空より風を起こせ、砂塵の嵐で埋め尽くせ、見えなき無数の刃、彼の者を刻め 風塵猛刃(エアスラッシュ)!!」
砂嵐が起こし、無数の風の刃を飛ばす。
「……ハハハ」
!?
高らかな笑い声が砂嵐の向こうからした。
死んでないの!?
「オレ達を倒せるとでも思ったか? 残念だな。」
どこに居るの!?
砂煙でレイとコクがどこにいるのか分からない。
「……大人しくしていれば……いいものを。
そうすれば、お前は幸せでいれたんだ。」
油断していた。
全方向から鋭い刃物が飛んでくる。
避けようがない……。
私、ここで死ぬの?
兄ちゃん達も見つけないまま死んじゃうなんてやだよ。
兄ちゃん達は生きてるんでしょ?
それに……まだみんなに伝えてないよ。
「ありがとう」って言ってないよ。
「……けて」
生きて、伝えたいんだ!!
リュウセイや、兄ちゃん達に。
「助けて————!!」
——世界に、ナナの声が響き渡った。
_______________________________________
最後の一文はね、「世界にナナの声しかないような感じでだからナナの声は響く」てな感じなんですよ!
それを表現できなかった俺……くやしいですっ(\益/)