複雑・ファジー小説
- Re: .。○天魔の鎖●.. 参照400突破、ありがとうございます! ( No.59 )
- 日時: 2012/05/02 22:49
- 名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: 1EjfiyJS)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/186png.html
第23話 大切な仲間
でも、誰も助けてくれるわけがないことを思い出す。
死を覚悟し、目を閉じた。
その時、誰かが私を包み込んでくれたような気がした。
あれ……?
私、死んでない?
片目だけをゆっくりと開けると、見えた物は。
「りゅ、龍……?」
白銀に光る、龍。
伝説に出てきた、≪ヴァイヴォイワシュテ・ワ・ベール≫。
七つの龍の力を合わせ持つといわれている……最強にして最期の龍?
でも、何で?
この龍の伝説は作り話だし、それに何千年も前に竜族は絶滅したはず。
「しかもなんか飛んでるし!!」
下を見ると星型に並べられた家の灯りが見える。
いやいや、それよりも。
「た、食べないでっ!!」
龍がこっちを貫くような紅い目で見ている。
「ああああ、そうか!!
実は私は死んでて龍が天国に運んでくれる的な!?
そんなわけねえだろ—!?」
完全にパニックになる、なな。
そうこうしている間にも龍は降下していった。
「やだやだやだ絶対に落とさないでよ!?」
龍に言葉とか絶対通じない……。
でも怖いんだからしょうがないじゃん!!
童謡……じゃなくて動揺して……、ああもう分からない!
何が言いたいんだ私は!!
—リクア周辺—
龍は地面まで降りてきた。
「……もしかして、降ろしてくれるの?」
私には、龍が頷いたように見えた。
私はスルッと龍の手を抜け、地面に降りた。
「……ありがとう、龍さん!!」
龍の居る方向を向くとそこには龍は居なくて、代わりに、
「リュウセイ!?」
ど、どうなってんの!?
「ったく……世話の焼ける奴だな。」
「……な、何でここに?」
「お前をここまで運んできてやったんだよ。」
!? とすると……。
龍が運んできてくれた→ここまで運んできたのはリュウセイ→リュウセイは龍。
「じゃあヴァイヴォイワシュテ・ワ・ベールはリュウセイだってこと!?」
「それ以外に何があるんだ。」
あっさり言いきったよこの龍!
「でも何で……何で助けてくれたの?」
「…………」
リュウセイは答えてくれなかった。
「リュウセイは竜族なの?」
「……ああ。」
「何で言わなかったの?」
「……レイとコクに力を奪われてたから。」
「じゃあリュウセイはなんで「煩いな。」
私の言葉を遮ってリュウセイは言った。
「……お前が『助けて』って言ったのが聞こえたから俺は来ただけだ。」
それでもいい。
もう一度、話ができるなら。
もう一度、チャンスがあるのなら。
「リュウセイ……。
私、結局一人じゃなんにも出来ない。
お願いだから一緒に着て。
仲間、でしょ?」
「…………」
反応は一切なく、リュウセイは私を見つめているだけだった。
「リュウセイは、大切な仲間だよ!!」
——暫く時間が流れた。
「……ルッツとアルスだったか? 探してやるよ。
ナナが俺を、大切だと……言ってくれたから。」
「リュウセイ……」
「いいから早くリクアに行こうぜ。」
リュウセイは歩き出した。
「……うんっ!!」
私は笑顔でそう言い、リクアへ向かった。
大切な仲間、『リュウセイ』と一緒にね!
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描写の少なさと展開の速さとストーリーの悪さに定評のある虫野郎……じゃなくて汽水です。
今回はナナの動揺回。
「童謡」とか言っちゃってるよナナちゃん。