複雑・ファジー小説

Re: ボクと誓約の翼 ( No.25 )
日時: 2011/12/08 22:29
名前: 元吉 ◆8OHUrY3.ic (ID: MRwb6zkQ)




「起きたのか」

目が覚めたとき、そこには(うさんくさい)博士の助手らしき人がいた。

彼は年齢はボクより少し下くらいかな?
容姿は黒い髪首くらいまでの長さで、愛らしい顔立ちだ。


「うん。えっーと君の名は……」


「セーアだ。昨日は名乗ってなかったな…ごめん」

手を合わせる動作をしながら謝ってきた。
面白いなぁ。


「うん。なんだかんだボクも名乗って無かったからお互い様だよ」

場の空気が和やかになっていく。

セーアはスゴい絡みやすいな。


「ボクはディア・フリージア。君は知ってると思うからいうけど、ハーピィと誓約を結んだ誓約者なんだ」
中途半端に隠すくらいならホントの事を包み隠さず話す。


だが、

「セイヤク…シャ?」


「君、誓約者を知らないの?」

この世界に誓約者を知らない人間がいたとは。



「こやつはつい、最近この世界にやって来たのじゃ」

「あ、博士!」
セーアが体の向きを変えた。

いや、そんなことより、

「あの……つい最近この世界に来たと言うのは…?」
引っ掛かることを聞いてみた。


「こやつの話を聞くといい。決して嘘は言っとらんぞ」

博士の表情が昨日と打って変わって真面目だった。


「これは30日くらい前の話なんだけど……」


しばらくボクはセーアの少し前の出来事に気持ちを向ける。



それは予想も出来ないことだった。