複雑・ファジー小説
- Re: ボクと誓約の翼 {感想お願いします} ( No.5 )
- 日時: 2011/11/15 19:28
- 名前: 元吉 ◆8OHUrY3.ic (ID: V89zVUtf)
「ディア・フリージア様。 朝食でございます」
「あー。入っていいよ」
寝癖がヤバい。
触った感じだけど。
出来れば他人に見られたくなかったなぁ。
朝からツイてない。
「召し上がられましたら皿は廊下へお出し下さい」
あ、いつの間に。
知らぬ間に、老人はテーブルに朝食を置いて部屋を出ようとしていた。
「失礼します」が耳に届いてなかったらしい。
まぁいいや。
お世話になった人だし、これからもお世話してもらうわけだし。
さぁ今日一日どうしよっか。
結局昨夜ハーピィと明日の事について話しそびれた。
とりあえずボクは立ち上がって廊下に出て階段を降りる。
「ちょっと外へ行ってくる」
受け付けにそう言い残し、ボクは外に出た。
昨晩は暗くてよく見えなかったが、宿屋の前には以外にも豪華な噴水がある。
さらに噴水の奥には、海が………まぁ港町だもんなぁ。
そんなことを考えながら歩いていたら、
町の市場にたどり着いた。
そういえば、マント捨てたんだった。
お気に入りだったのになぁ。
市場にはやはり武具屋が多く、
中には本に載るような貴重な品が並ぶ店もあった。
まぁ貿易盛んそうだもんなぁ。この町は。
すると、その中に妙な品物が目に入った。
あの禍々しさしか出ていない剣……
「の……呪われている…?」
思わず口に出してしまうほど驚いた。
ボクの目に入った、小さな黒い水晶が埋め込まれた黒い大剣には、呪いがかかっている……
一体どうしてこんなものが普通の港町の市場に……
いや、おかしい。
普通の人間は呪われた武具を手にしたとたん正気ではいられなくなるはず……
ボクが昔に読んだ文献によると……
『呪術……魔術と類似した術。
魔術をマスターした魔術師のみが使用できる。
この世界に存在する唯一の対想獣誓約者戦術』
具体的にどうなるかと言えば……
…………マズい!
一人の客らしき大男が、大剣に手をかけようとしていた。