PR
複雑・ファジー小説
- Re: 鎖解時 第四話更新中 −参照100突破感謝です− ( No.28 )
- 日時: 2011/12/27 23:45
- 名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: C8D3KebB)
「まっ。とりあえずお前の母さんの特徴教えろろよ。それじゃねーと何処捜していいかも見当付かないしな」
客間と言われて通された部屋に設置されていたソファに向かい合って座る。少し不思議な感じがするのは気にしない事にした。
アレックスはなぜかニコニコしている。自分自身はアレックスの姉に渡されたタオルを首にかけている。濡れた髪を乾かすのに使ったため、もう少し湿り気を帯びているが……。
「本当にさ、力貸してくれるんだよね……?」
「だーかーらー……。さっきからそう言ってるだろ? お前の力になるって」
半ば呆れ気味に言葉を連ねるアレックスをはじめて不良みたい、と思った。同時に恐怖を感じもした。それでも、頼ることができるのはアレックスしかいないという現状が確かにあった。
「そ、それじゃ……僕の母さんのこと教えるから」
静まった部屋に二人の呼吸音だけが小さく響く。話を消したのは自分だ、とは分かっているものの勇気がなく中々口を開くことができない。少し口が開いても声がのどの辺りでつまり声も出ない。
沈黙のまま約数分が過ぎた頃、尊がゆっくりと口を開いた。そして震える声で言葉をつむいだ。
自分の母親と自分のことから、今までのことも全てアレックスに伝えた。
PR