複雑・ファジー小説

Re: 鎖解時 −第二章開幕− ( No.52 )
日時: 2012/01/07 19:00
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: JbVqO821)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

第二章 :プロローグという名の詩に近いもの。

 赤い血。青い血。黒い血。
 広範囲に飛び散った、その血。
 大きな嫌悪感と、吐き気が体の奥底からやってきた。

 そしてこれは……。誰の、何処の、肉片だろう。
 目に映る光景は、あまりにも可笑しくて、信じることなんかできない。
 一瞬にして視界が赤に染まったあと、人のものじゃない。何かの青い血が赤い血と混ざり合って、紫色に変色していた。
 酸素が欠乏し赤黒く色が変化したその血が、時間の経過を物語っている。一歩踏み出すと“ニチャリ”。乾ききっていない血が靴底に吸い付く。壁についたその血は、すべる壁とは対照的にとまる壁へと変えていた。

 赤青黒の血たちの行く末は、これから彼らが行く場所へと続いていた。
 その道のずっと奥まで——。