複雑・ファジー小説

Re: 十二支と命者と妖たち 七章【後】 ( No.44 )
日時: 2012/01/03 19:01
名前: ガリュ (ID: 58y6MThT)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

すると、紅と藍は地面に近づくにつれて

落下の速さが遅くなっている。

「これは…?」

「俺達は空を飛べるからな…。」


  「ふうん。」

そして地面に着地した風音たちは雪のもとへと走っていった。




「あら、風音さん…。?、そちらは?」

「紅。」

「藍。」

「まさか…、妖神様…?」

「まあ。そうだな。藍。」

「ああ。そうだな。紅。」

「はやく雪さんを…。」

「ああ、そうだな。」


すると、紅の身体が光りはじめた。

連れて、藍も光り始めた。

「風音さん、これは…?」

「だいじょうぶ。」

すると、光りは雪の身体を照らした。

「な…!?」

すると、みるみるうちに、雪の身体の色が変わっていった。

白かった肌は肌色に…。白い髪は真っ黒く、

白い着物は色とりどりの色に。

  「私は…。」

「雪さんは呪いにかけられていたのですよ。」

「わたしが…。…なにか知りませんが…、ありがとうございます。」





「これで、俺達の役目、おわったな。」

   「そうだな。紅。」


 

 「雪さん、そろそろ…、わたし…。」


雪はあたたかい涙をこぼして、一言告げた。











     「ありがとう。これが本当の雪です。」