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複雑・ファジー小説
- Cruel:4 ( No.11 )
- 日時: 2011/12/12 02:54
- 名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)
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「……ぁっ、先生!こっちです!早く!!」
やがて病棟に入ると、数人のナースが俺達同様に息を切らして待っていた。
そして、その中に
「遅かったわね。竜巳」
緊急事態にもかかわらず、顔色一つ変えない
「…うる、さいっ!」
“先輩の大嫌いな同期”こと松宮 薫がいた。
「…全く。竜巳、休憩中のあんたの代わりに彼女の世話してあげてたんだから。礼の一つもないわけ?———って、ん?勇人くんじゃない」
松宮先輩の興味が俺に逸れる。
「久しぶりですね。先輩」
「えぇ、久しぶり」
………先輩への態度と俺への態度のこの違いっぷりはなんなのだろう。
やがて松宮先輩は先輩を見て何かを言おうとしたが、
「…ま、いいわ。さっさと行くわよ」
視線をエレベーターの方に移すと、そのまま回れ右をして早足で行ってしまった。
「———あっ、おい!置いていくなよ!」
「……」
なんだか今日は、知られざる先輩の一面を沢山見ている気がする。
——というか、大学の頃と比べて、雰囲気が格段に柔らかくなっていた。
それも全て、例の患者に繋がっているというのか。
「……フン」
益々興味が沸くじゃねーかよ。
…———お嬢サン。
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