複雑・ファジー小説

Cruel:6 ( No.13 )
日時: 2011/12/01 17:23
名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)




「………」








思わず、息を呑んだ。












「…っマスク付けて!点滴のスタンド持って!手術室に連れて行くから!!」










次々と部屋の中に入ってくるナース達なんてもう眼中になくて。



ただ、俺と彼女だけの空間のように。



それ以外、周りは全てスローモーションに見えた。











「…勇人くん?」












———まるで、こうなることが決まっていたかのように。



俺が彼女を美しいと思うのは、違和感なんて感じないくらい。いとも容易くピースははまって。












透き通るような白い肌。



小さくて桜色の唇。



伏せられた長い睫毛。



掛けられた布団のもり上がった部分からして、とても線の細い身体。





















間違いない。

















———これは、一目惚れ。