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複雑・ファジー小説
- Bad:4 1/2 ( No.22 )
- 日時: 2011/12/06 23:35
- 名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)
本当のこと言ってるだけだよ?、と彼は言う。
とても皮肉めいたその口調に、
(馬鹿にされてる…)
なんて思った。
その時、
「…よし、行くか」
いきなりしゃがんでいた彼が立ち上がった。
「どこに?」
そう訊くと、
「…いい子ちゃんに戻るんだよ」
(———答えになってない)
けど、彼の真意は分かった。
…教室に戻る、ということだろう。
敢えて、彼は“いい子ちゃんに戻る”と言ったのだ。
「さよなら」
「んー、またね」
…。
……わざわざ“さよなら”って言ったのに。
“またね”と返されたということは、また会う機会があるということか。
それとも、彼が会いに来るというのか。
(…二度と会いたくない)
出来れば、二度と。
——でも。
どうしてか、彼とはまた会う気がしたのだ。
…だから私も
「今度は、あんなお恥ずかしい最中じゃない時に会えるのを期待しますよ」
彼の背中に向かって精一杯の嫌味をぶちまけてやったのだった。
「期待はしないことだねー」
彼は振り返らずに手を振って、そう応えた。
- Bad:4 2/2 ( No.23 )
- 日時: 2011/12/06 23:39
- 名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)
…そして、翌日。
まさに昨日の今日。
皮肉にも、その“気がした”というのは、早くも現実となってしまったのである。
「………」
(…もういやだ)
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