PR
複雑・ファジー小説
- Cruel:1 ( No.7 )
- 日時: 2011/11/28 21:15
- 名前: うにょ (ID: qpE3t3oj)
———その日は珍しく、俺の心は浮かれていた。
「久しぶりだな、勇人」
「っス。先輩」
今日は大学の講義が午前だった為、俺はある先輩の元に訪れていた。
「いや〜、相変わらず勇人はかっこいいな!」
「そういうアンタだってそうでしょ。元也先輩」
「“元也”って…。名前で呼んでくれよ。竜巳ってさ!」
「…嫌です」
「なんでだよー…」
この元也 竜巳は明るい人で、俺が入ってるサークルの先輩。
ちなみに今は、一昨年大学を卒業してから研修医の期間の後、正式な医者として大学の付属病院で勤めている。
「……はぁ」
そんな先輩の溜息を、俺は初めて耳にした。
「どうかしたんですか?珍しい。溜息なんて」
「…うーん。ここのところ、ちょっと緊急事態、っていうのが続いちゃっててね。」
「緊急事態?」
「僕の担当してる患者さん。本当、特殊なケースでね。いつも気を張ってないと、容態が悪化したときに対応しきれないんだ」
はは、と先輩は笑う。
PR