複雑・ファジー小説

Re: 【未定】 ( No.1 )
日時: 2011/12/03 22:30
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

 目覚めると俺は自分の部屋で、

             逆さまに吊るされていた。

 「いったい俺は寝ている間、姉貴に何をしたんだ!?」
 俺が驚いて体を大きく揺らしただけでビニール紐が解け頭が床に激突した。
 引っ越し前の俺の部屋で唯一残っている黒のデジタル時計は7:30を指しているじゃないか。せっかく入学式の前に邪魔をしてくれるとは姉貴いい度胸してるじゃないか。少しばかりやっつけなければいけない。俺の【良心】がそうつぶやいている
 「姉貴〜」
 どっかのゾンビ映画のようにのっそりのっそり歩き、リビングのドアに耳を傾けた。
 「百億年の歴史が〜♪ 今も体に流れてる〜♪」
 ほう。実の弟を吊るした後にこうして児童が歌う合唱曲を聴いているとは【いい度胸】してるじゃないか。この歌詞の次はサビだ。サビをめちゃくちゃにしてやろう!
 「光の〜こ〜えが空高……」
 サビに入った瞬間。ドアを勢いで倒してリビングに侵入した。
 「姉貴〜。出てこ〜い。」
 のっそりのっそり
 「うるさいわね。曲が台無しじゃないの!」
 髪をストレートにしていて外で一緒に歩いているだけで周りの人(男性)が俺に嫉妬する容姿。どっから見ても俺の姉貴だ。
 「姉貴。俺を吊るしたな?」
 ゾンビのままなるべく怖い声で確認を取ってやる。命乞いをしたら許してやろう。
 「えぇ。和君と約束通り吊るしたよ!」
 命乞いをするのか。そうかそうか。じゃ助けてやっ…… なに?
 「覚えてないの? ほんと馬鹿だね。」
 過去の記憶を探っていった。



                 過去の7:00
 「起きろ!目覚まし時計が鳴ってるよ!」
 「うるせ〜。後10分寝させていくれ……」
 「じゃ、10分後に起きなかったら?」
 「俺を吊るしていい。」
 「約束だからね。」



 「俺、学校だから……」
 いきなり窮地にたった俺はこの敵陣地リビングからの退却を試みる
 「朝食食べていきなよ」
 痛い。痛い! 俺の肩が激しく軋む。
 「わかった。わかった。」
 椅子に座り朝食を食べながら、ここからの脱出案を考え始めた
 「さて、朝っぱらからドアを壊し、曲を台無しにしたのはなぜかな?」
 前言撤回!これから始まる朝の会話(拷問)に対抗する手立てを考えなければ。


30分後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「言ってらっしゃ〜い」
 ドアから姉貴による翼驚きのボレーシュートでゴール(玄関)から飛び出す。
       ガシャリ、ガチャン、カチャ
 もう、俺がこの家に入ることはできないだろう……
 ため息とともに『公安専門学校』へ猛ダッシュで登校し始めた。