複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【答え発表〜♪】 ( No.100 )
- 日時: 2011/12/30 14:48
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- 参照: 答え発表〜
第三話「大論争」
「十勝臨よ。先に持論を述べよ」
制服を着ている青年いや、臨が立ち上がった。6人の顔はとても険しかった。
「まず、結ヶ城神奈の能力についてですが、この『幸運の女神(フォーチュン)』はこの世に存在してはいけない。」
バン!
策士が立ち上がったが、口からは声が出てこない。轍がゆっくりと手を策士に向けた
「策士よ。座れ!」
バン!
策士が机に叩きつけられた音が大きく鳴り響いた。罵詈雑言を吐いているようだが、なぜか声は出てこない。
「結ヶ城神奈ですが、戦闘力が皆無です。もし、【A】だったら俺はなにもいわないが【D】じゃどうしようもない」
残念という思いを滲ませながら臨は意見を述べた。そして策士を哀れな目で見た。彼は、策士とライバル意識を持っているようだ
「もし、テロリストに狙われたらどうするのですか! 全校生徒がとても危険なことになります。」
臨が机をおもいっきり叩いた。その音は4人の心にひしひしと伝わった。
「桜策士よ。述べよ」
机から離れ、しっかり立った。彼の眼には絶望の文字が浮き出ていた。
「その能力を使ってテロリストを殲滅できます。そうすれば、多くの民間人が死ななくて済みます」
心の奥から希望を拾って、負けずにしゃべった。彼の言葉には勢いがあり、説得力があった。
「その分、しっかり警護をしないといけませんが…… しかし! その分、僕らの使命が果たされるでしょう! 」
策士はゆっくり席に座った。轍が重々しく立ち上がった。彼の顔は暗闇で全く見えなかった。
「では、人間たちよ。採決を取る。結ヶ城神奈を抹殺することに賛成なものは手をあげろ」
ジャージを着ている男と黒いスーツを着ている男と十勝臨が手をあげた。彼らの顔は全く見えない。笑っているのか、泣いているのかもさっぱりわからない
「つまり、他の三人は反対だな。やはり、我が決めるとなるのか……」
轍は三人の有無を確認すると腕を組んだ。声からして考えているに違いない。そして
「結ヶ城神奈を抹殺することにする。以上を持って閉会とする。後で桜策士は作戦報告書を出すこと」
轍はそれを言った途端椅子から【消えた】。
五人は黙って会議室から出て行った。策士だけがただ一人、ポツンと……
「ごめん。神奈君……」
公安専門学校の屋上で制服を着た男が携帯で話していた。
「あ、俺です。作戦は成功しました。ええ、なんとか結ヶ城神奈抹殺の方に向きました。あ、はい。わかりました。じゃ、切ります」
電話を折り、ポケットに入れた男は【十勝臨】だった。