複雑・ファジー小説

Re: 罪とDessert Eagle 【参照1000の短編アンケ】 ( No.154 )
日時: 2012/01/15 12:13
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: 1000行ったぜ☆ さて短編のアンケートだww

第二話「呼び出し」

ドン ドン ドン ドン
朝起きたばっかりの俺の耳には何かが叩かれる音が10分も響いていた。
————俺の耳が早くもあの世へ行ってしまったか?————

ドン ドン ドン
————叩く音が前よりも段々強くなっていくのは気のせいか?————

ギシ ギシ ドン ドン
何かを無理に叩いている音が和の部屋に響き渡った。その音は————
「馬鹿! 起きているか? 起きているなら早く来い!  例の任務(ミッション)の件だ!」
社が部屋を強行突破しようとする音だった。
「おい! なにやっているんだ!? 馬鹿! 扉が開くだろうが!」
————扉壊したら何万円もするんだぞ! 弁償が大変じゃないか!————
【何か根本的に間違えた考え】を持っている和は玄関に駆け寄った。扉は漫画のように曲がった。
「おい! 止めろ! 壊れる!」
ドアをやっとのことで開くと目の前にはいつもどおりの梅の花のネックレスを付け黒いズボン白いシャツの青眼男、矢向社が立っていた
「いいか? 自分は、10分間もドアを叩いた。それなのになぜ出てこなかった?」
————どうせ自分のことを無視したんだろう? ま、いい。猶予を与えてやる————

「俺の耳がおかしくなったかと思ったから」
「………… 支度したな。体育館へ早くいくぞ!」
————君は正真正銘の馬鹿だ……————
「お……おう!」
俺と社は一応武器を持って体育館へ走って行った。空は青く、雲一つもなかった。これ以上の快晴はないだろう。
「体育館はこっちだ! 急げ! 学園長に叱られる!」
「何で叱られるんだ?」
————なんで学校に誰もいないんだ? 人の足跡も聞こえない……————
人の話し声どころではない、呼吸音も聞こえなかった。体育館へ行く道で社以外の人間には合うことは無かった。
「今日は休校なのか? 水曜日なのに……」
「その事情は後で話すから、今は任務が優先だ」
「わかったよ」

えーと、任務の内容は……
三日前
「和君、こんな【良い】任務を見つけたよ! 23班として参加しようよ♪」
神奈が【明らかに掲示板からはぎ取ってきたと思われる文書】を俺の目の前に突き出した。
「これは……掲示板のものだよね?」
「うん♪」
「……ハァ」
溜息をついてその良い任務を見てみた途端、目が丸くなった。

「任務……ランク*
任務の内容……受け入れてからいいます。大体の内容は*****の討伐です。
報酬……1000000の単位
受託単位……0
なお、この任務は*************************************
依頼人……公安専門学校。

なお、*は破れていて(どっかの女子のお蔭です)読めなかった。とにかく
————単位1000000だって! 一か月は任務しなくていいぞ!————
単位の説明をしよう
中、高等学校でも単位という言葉を聞いたことがあるだろう? その単位である。しかし、違うところは寮で生活するためには単位が必要である。病気やけがなどの時は免除されるがそれ以外の時は月に決まった単位を払わなければならない。また、寮になるスーパーも日本円ではなく、単位である。これは、日本円による争いを抑えるために作られた制度である(学園長が作った)。任務をこなすほど単位がたくさん入る。つまりその分裕福になれるわけだ。しかし、学園長も考えたものだ。この制度だと
【成績優秀な奴ほど幸せになる。みんなやるきがでる】
という訳だ。寮の単位を払えなくなると寮を出ないといけない。寮ですまなくていいのはランクSと先生だけだから【退学】になる。
 なお、日本円一円=単価1である。
単位の量と成績、能力、運動でランクが決まるのも注意である




「受けようじゃないか! 他のみんなは?」
身を乗り出して聞くと神奈も身を乗り出した。どちらとも【単位】の大きさに目を輝かしていた。
「いいって。「別に難しくても僕らにはできるよ」って策士が!」
「じゃあ、出しに行こう! 署名はしたか?」
ものすごい笑顔でポケットから神奈が書類を出した。
「ジャジャーン! さあ、出しに行こう」
「行こうぜ」

そして今……
————破けていたところはいったいなんだったんだろうか。まさか不味い任務じゃないだろうな————
 俺と社は体育館へ走って行った。