複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【記念短編更新です】 ( No.186 )
- 日時: 2012/01/28 20:35
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- 参照: 短編じゃい!
第五話「闇の医者」
「1954年、パリの人々がいきなり倒れ呻きだす事件が起きた。俺はその場にいたから詳しくここに記す。
朝、なぜか足に激痛が走った。なんどか骨折してからすぐわかったが、医者に行きたくても動けない。後で考えてみたらなんとか移動しても医者も折れているから診察もできなかっただろう。パリの街が呻き声で覆われた。人々を助けるため町に入った軍隊や警察も同様に目の前で十分も保たないで足の骨が折れてしまう、救助活動は絶望的だった。
翌日、悲しみに暮れていた街並みに元気がいきなり戻った。目覚めた俺は昨日会った痛みが消えていて普通に立ち上がって生活することができた、骨折をしていたのにも関わらず…… さらに驚いたことにレントゲンを撮っても【骨折の跡はなかった】。
政府はパリ市民の狂言事件だと当初発表したが、直後「闇の医者による犯行声明」が発表された。とんだ目に合ったものだ
とあるパリ市民の手記より」
なんだそりゃ…… 一日間骨折でその次の日には治っているなんて狂言だろ。
「それが「闇の医者」が起こしたかはまだわかっていないが、他にも誘拐などを起こしているのは確実だ。あいつらは身代金など要求しない。つまり、【返すつもりが全くないわけだ】」
ゾクゾク
すこし鳥肌が立ってきた…… 社や策士もさっき爆笑していた神奈も深刻な顔つきになっている。
「それらの行動により 【死神達】とも呼ばれる。もちろん数人の少人数組織だということはわかっているがそれ以外は謎だ。なぜなら最近は全く活動していない。 これが闇の医者についての説明だ。質問があるか?」
灯が手をちょっとためらいながらも手をあげた
「……何故、俺ら以外の生徒がいない?」
————いい質問だな! まったく闇の医者に関係ないけど。俺はわかったぜ————
俺は堂々と自信を込めて灯に教えてあげた
「灯。それはな、みんなサボってるからだよ」
「「おい!」」
策士が俺の腹を思いっきり殴り、気持ち悪さのあまり屈折した体を社が地面に叩きつけた
「お前、本当に馬鹿だな」
————確かに馬鹿ですが、叩きつけることは無いだろう。————
「和君、殴ろうか?」
————もう殴ってますよ————
吐き気を抑えながら立ち上がると目の前に伊月先生が立っていた。
「何故いないかは、テロが発生しているからです」
————は? なんで?————
「昨日の夜中、「黒十字軍」によって数多くの神社や寺が全壊になりました。今のところ死者はいませんが、お墓などがボロボロに…… ですので君達以外の生徒は警備にあたっています」
社がいきなり伊月先生の前に立った。なんか動揺している目だけどどうしたんだ?
「氷川神社はどうなっていますか!?」
ちっぽけな神社みたいな名前だな。そんなに神社のことが好きなのか?
どんどん寄ってくる社を押さえつけながら伊月先生は少し戸惑いながらしゃべりだした
「落ち着けって。氷川神社はちゃんと守護職が守っていたから大丈夫だった」
「ありがとうございます!」
社は一礼して伊月先生に感謝した。
————なんでそこまで気になるの? というか氷川神社って何?————
氷川神社の存在自体分からない俺に助け舟が現れた
「氷川神社は、悪霊退散で有名な神社で有能な能力者もいるから重要なんだよ。もちろん、それらを守護しているのは守護職という役職。
もちろん、そこを襲われたら国家の危険も起きると思うよ。」
すこし息を呑んだ。つまり、エリートが集まっている神社ということだ。
【そこを壊滅されたら日本の終わりが近い】
「何故、社君が気にするかはわかっただろ? 」
すこし、うとうとしながら聞いていたら敵の本拠地についての説明が始まった
「ページ1に載っていると思うが、このチャットの伽耶峠が敵の本拠地という情報だ。本拠地の情報はひとかけらもない。
だから速攻攻撃の作戦じゃないと危険すぎる。また、場所が山奥のためヘリでの落下傘は不可能。下から攻めていくことにする。策士、作戦を立てヘリの中で指示すること」
伊月先生がスクリーンで説明をしている姿がぼんやりと見える。
————とにかく敵を倒せばいいんだろ。————
「「「「「「「「「「「「「了解」」」」」」」」」」」」」
やっとヘルメット部隊がしゃべったぞ。あいつらはモブキャラだからこれぐらいがお似合いだろう。
「新23班、有志の俺を含む8人。13人は○9○○(朝の九時のこと)に作戦開始、これから指揮は桜策士が務めること。校庭に集合」
たるんでいた俺の心がすぐに締まった。他の面々も少しばかり緊張している
一人ひとりの顔をみた伊月先生はニヤリと笑うと
「まだ準備してないやつは早くいって来い。置いて行くぞ」
————どう見ても俺への挑戦状だよな!————
喧嘩したかったが周りの人々がとても冷たい……
俺は任務に間に合うように視聴覚室から出て行った