複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【自信作SS更新】 ( No.239 )
- 日時: 2012/02/18 19:11
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- 参照: 続き
>>238の続き
「Get up! You are a criminal!?」
「ん? 何?」
目やにが付いているせいか目が開けづらい。目を擦りながら目を開いた
「You killed Chairman Azuma!?」
俺の周りは三人の人間、黒服の日本人とチャライ格好をした青年、僕に向かって英語をしゃべっているアメリカ人が立っていた
「東さん? となりだよ」
隣を見ると東さんは座ってはいなかった…… まさかあのジジイ僕を殺し屋の身代りに逃げたか!!
一瞬僕が寝ているところをゆっくりと跨いで上空から飛び降りる東さんを想像したが、さっきアメリカ人が言った言葉がとても気になった。
You killed Chairman Azuma!?
お前が
東会長を
殺した?
僕の脳裏ににやけたジジイの顔が浮かんだ。
「東さんが殺されたんですか?」
嘘だ。嘘と言ってくれ
「そうだよ!! 初めて殺人現場にいて俺は動転している!!」
「こっちだ」
青年が暴れそうになっているのをアメリカ人が羽交い絞めしている様子を見ながら虚ろに黒服が指した方向を見た。
東さんは誰かが引いたブルーシートの上に載っていた。顔は隠されていたためどんな表情かは全く分からなかった。すこし呆然となった……久しぶりに楽しい話ができると思っていたのに……どうして……
そしてなんで僕が容疑者?
東さんの死んだときの顔はどうなっているかが気になった。もし笑っていたのなら良かったと思えるだろう。
東さんの遺体へ動こうとしたとき
「青年……そこを動くなよ。」
黒服の男が僕に対し命令をした。周りの乗客はこっちを困った顔で見たり指で指したりと恥ずかしい……ふと僕の頭の中で疑問が浮かんだ
「なんで僕なんですか! もう犯人は逃げているでしょ!」
腕組をして何故僕が容疑者というか犯人扱いになっていることを聞いてみた
「残念ながらまだ飛行機は飛んでいる…… 空という【完全密室】だよ……」
「おめぇは、通路側に座っていた。そしておめぇが善じゃない限り、犯人は寝ているおめぇを横切って毒物を飲ませることはできない!」
「Say the truth!」(本当のことをしゃべれ!)
まず……この状況を整理しよう。とても暗い気持から強制回復すると状況を整理した
1、東さんが殺されている
2、まだ飛行機は飛んでいる
3、2により犯人は逃げていない 1より東さんは窓側だから僕を跨がなければならない
4、3より、不運なことに僕が犯人。
うん、こうなるな。やはり【赤毛】の名は恐ろしい…… というか呪われてるのか?
「毒物ってなんですか? というか毒殺ってわかったんですか?」
黒服の男がいたって簡単に一言でみんながわかる言葉をしゃべった
「アーモンド臭。甘酸っぱい香りがした」
なるほど。つまりシアン化カリウムを飲まされての死因か……シアン化カリウムつまり青酸カリウム……ミステリーでよく使われる毒物
青カリ……この前なんかあったな。ちょっとだけ苦笑いしながら三人に聞いた
「あのう。さっきのカプセルの話聞いていましたか?」
僕は、三人は聞いていないというのを待っているのだが……
「もちろん」
「ああ」
「yes」(はい)
周りの目が僕を犯人だと確信したらしい……
「わかりました。わかりました では僕の無実がかなうまで静かに待機しています」
僕は東さんの座席を調べることにした。あぁあ、親友よ僕は【赤毛】と言われるのは必須のようだ。