複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【第一階戦更新 コメ欲しい。】 ( No.289 )
- 日時: 2012/03/16 15:38
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第一階戦Part2
右から鋭く飛んでくる矢を逆立ちで躱し、刀の柄を蹴って回避して、トラップを解除し鹿村が引っ掛からないようにしていた。
「こうやってどんどん武装解除されるとこっちもつまらないな。これはどうだい?」
水納は足踏みをし始めた。
「まさか……鹿村! 気をつけろ!」
▼馬鹿は周りをキョロキョロしている。
さすが、後方支援の保健会! 実戦経験ゼロだな……
「3、2、1、0!」
水納が足踏みを0で止めた。その瞬間————
ガシャリ、ジャキン
「何にも起きないじゃないの!!」
今の状態はさっきの状態から埃一つも動いていない。ただ金具が掠れる音がしただけだ。
「あれ……誤爆かな。この前メンテナンスしたのに……」
すこし焦っていて、青ざめている受付嬢。
「よっしゃ! チャーンス! 私の苦痛が解放される!」
馬鹿は相当なストレスを前線でいるだけで味わったらしい。まだこれからなのに……
▼馬鹿はグロックを構えた。
「嗚呼〜 なんで壊れるの…………なんちゃって」
水納が赤い舌を犬のようにベロンと出した途端、鹿村の体にボウガンの矢が刺さりナイフがあちらこちらに地面に刺さった。もちろん、鹿村の体にも……
「くっ……ここで倒れるわけには……」
赤い液体を腕から流しながらふらつき始めた。すぐ、看護しに行かなければならない!!
「包帯で腕を巻け! 胴体は大丈夫だな?」
青ざめた顔で鹿村は弱弱しく、腕に包帯を慣れた手つきで巻きつける。でも意味が無いように血がそのまま包帯を透して赤く染める。
「駄目……血が止まらない……」
「持病でも持っているのか? まさか……」
俺様は水納の顔を見つめた。もしこいつのせいだったら殺すどころか、砕いて谷の底へ捨ててやる!
水納は眼の前に血を流している人がいるのに笑っている。旅行に出かけた時の集合写真の笑いとほとんど同じだ。天井から爆音が聞こえ、壁という壁が震えているこの風景が俺様の眼には白黒写真のように見えてきた。そこまでショックが多かったのだろう。
「てめぇ……鹿村になにしやがった!!」
「いずれかわかるよ。さぁ……もうすこし踊ってみたら?」
水納が右腕をまるで俺様の怒りを払いのけるように振るとナイフが三本波のように飛んできた。
「くそ!」
鹿村の止血を手伝ってやりたいが、水納のお相手がいないと両方とも死んでしまう。ナイフをナイフですべて弾くとポケットからアレを出した。
「一時撤退するぞ!」
撤退宣言と同時にアレつまり、スモークグレネードを足元へ投げつけた。
スモークグレネードとは煙を吹きだす手榴弾で相手の視界を遮ることができる。
鹿村の青ざめた顔を見ながら腕を無理やり握り、正面玄関から逃げるために走った。
「おいおい。もう、お披露目か? 逃げるようだったらこっちだって本気だよ」
「おめぇには見えないだろ!! ん? 足が……!!」
煙の向こうから聞こえてきた言葉とともに体が鈍ってきた。頭が熱くなっているようで簡単に言えば頭痛、怠さ、吐き気が体の中を渦巻いている。
「ど……うしたの? 立菊……」
前よりも重傷になってきているな……鹿村。
「頭痛と吐き気がひどい。毒の可能性がある。」
振るえる鹿村の手からカプセル錠を持った時、グレネードの効果が切れて俺様たちの姿
が水納に明らかになった。
「薬ぐらいで治されちゃ困るよ。僕の能力はちっぽけな物じゃないのでね」
だんだん、吐き気が強くなってきた……。正直、きつい。
「そうだ。僕の能力について説明していなかったな。僕の能力は『授与式(シックアンドシック)』と呼ぶ」
その言葉が終わると同時に俺様は完全に吐き気に潰された。
Part3へ続く