複雑・ファジー小説
- Re: 【未定】 感想ください ( No.3 )
- 日時: 2011/12/12 20:33
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
「姉貴!覚えとけよ!」
自分で負け台詞を言うと心が折れる
猛ダッシュしながら頭の片隅でせつないことを考えていたそのときだった。
「いっちねんせ〜いになったら。友達百人できるかな♪」
多くのサラリーマンが歩いている大通りで元気よく歌いながら歩いている小学一年……じゃなかった。
「和。おはよう〜」
俺の幼馴染の結ヶ城神奈が手を大きく振りながら駆け寄ってきた。……今日はついてないな
「や ぁ、おはよう。では俺、遅刻しそうだから」
「待って。私と一緒にいれば遅刻しないよ。」
確かにそうだ。神奈は、【いつもこんな遅い時間に登校しているのに遅刻することがない】
異常な人間だ。過去の例をあげてみよう。
中学校へ行く道路が男によって封鎖される事件があった(男が何故封鎖したかは忘れた)。ほとんどの児童が遠回りをすることになり一人を除く全校生徒が相当な遅刻をした。警察官に教えられ『一番を取ってやる』と最短距離の別ルート(不法侵入)で行った俺が一番だと確信して教室に乗り込んだ時、神奈だけ席に座って先生を待っていた。
どうやったはいまだ謎だが今まで遅刻したことは一度もなかった。
「どうするの?一緒に行かないの?」
コマンドを選択してください
結ヶ城神奈の誘いを断り、すべての力を使い遅刻を防ぐ
→身体の疲労アリ。朝食をあまりとっていないためどうなるかわからない。
結ヶ城神奈の誘いに乗り、一緒に登校して遅刻を防ぐ
→周りから変に思われる可能性ダイ!意を決して望まないといけない。
どうする俺!どっちも悲惨な結末だがどちらを選ぶ!
考え中…………
⇒結ヶ城神奈の誘いに乗り、一緒に登校して遅刻を防ぐ。
「よし、一緒に行こうぜ。」
心をセメントで固めて笑いながら言った。
「じゃ、一緒に歌を歌おう」
「わかった」
誰も俺のほうを見ないでくれ
「きみ〜が〜あ〜よ〜を〜わ〜」
何故国歌!?周りのサラリーマンが一メートル離れたぞ!
「「千代にや〜ち〜よ〜」」
周りの人へ 俺は全く悪くありません。悪いのはアイツです!
「なにあの二人、大声で国歌歌ってるわよ」
「そうね。どこの学校かしら。」
おばさんたちが電柱のそばでゴミ袋を持って立っていた。
俺は悪くないんだ!!!!!!!
俺たちが学校に到着した時間は、
10:33
だった。
「おい!どうすんだよ!」
「しょうがないよ。あんなことが起きたんだから」
確かにそうだ。俺の目の前で交通事故が起きて、警察に目撃者として話すことや通学路の橋が崩れるのは普通ではない。
「先生に言えば分ってくれるよ」
「そうだな。」
もうすぐ折れそうな俺の心を立て直し学校前の坂を登りきると「公安専門学校」が見えてきた。そして校門の前に厳つい教師(男)が竹刀を持って立っていた。
「神奈。なんとかしろ」
「説明すれば大丈夫よ」
本当に大丈夫なのだろうか…… 冷や汗かいてるぞ。
「よう。初日から遅刻とはどういうことだ?! 言い訳していいぞ」
俺の学校生活は一日立たずに終わったと確信した。