複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【第二階戦一部更新】 ( No.312 )
- 日時: 2012/04/22 21:37
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第二回戦『藤崎灯&桜策士VS二川一&二川一』
灯がぼそりとどうみてもそっくりな二人を見つめた。
「貴様ら、兄弟か?」
「なんでわかったのかな? 兄貴?」
「なんでだろうね?」
二川一の二人はお互いの顔を見た後灯の顔を見つめた。
策士は灯と兄弟が見つめている様子を見て溜息をついた。
————そりゃ、君たちそっくりすぎるだろ……————
「あ、紹介しとくね。左手に時計をしているのが兄貴!」
「右手に時計をしているのが弟!」
「「覚えてね!」」
左目を隠し、一重の右目を見せつけながら黒髪を揺らした。白衣が特徴的で……とにかく、兄弟はそっくりだった。
「二人とも同じ名前なんだろ? 両親が困っただろう……」
策士が時計を見せつけている兄弟の姿をもう一度見ると大きく、漫画にしてみたらきのこ雲がでてくるぐらいの溜息をついた。
————親が兄を呼んだら弟がやってきて……弟を呼んだら兄が……これは面白い。————
一人で想像して笑っていた策士に帰ってきたのは
「両親!? ブチ殺すぞ!」
怒りの声だった。
「落ち着いて! 兄貴!!」
弟が兄を必死に抑えている。部外者の策士から見れば幽体離脱を望む身体とそれに対抗してる魂が争っているように見えた。というか、幽体離脱ってできるのと思うがこの世には自然法則を破る人もいると少し納得してしまう。
「もう、殺していいか?」
ぼそりと物騒なことを言う灯はチンピラが見たとたん敬礼してしまいそうな怖い顔でナックルを装着していた。本来特殊公務員は人を殺してはいけない。捕獲が前提なのだが、灯が持っているナックルは鋭いスパイクがついており刺さったら簡単に抜けないようになっている。それを見たとたん背筋がすこし凍った。
「僕は後方から援護しよう。コードは32コード」
コードとはこのように相手がそばにいて指令を出す際相手にわからないようにしなければならない状態で使う暗号だ。
「了解」
静かにうなずくと灯は兄へ跳躍した。そしてとげがついたナックルを頭に向け殴りつけた。兄は避けもしないで余裕そうにナックルを見つめていた。
灯の手が赤く染まるのと同時にナックルを放置して元の場所へ飛んだ。敵がどんな能力者はわからない、だからこそ威力偵察というわけでナックル攻撃を仕掛けた。
「これっぽっちか?」
兄はナックルを力ずくで皮膚とともに引き抜くと投げ捨てた。さっきまで皮膚が剥けて痛々しい姿だった頭は元通りになっていた。
「「さて……次はこっちの番と行きますか!!」」
Part2へ続く