複雑・ファジー小説

Re: 罪とDesert Eagle 【26日更新コメントください】 ( No.316 )
日時: 2012/05/04 23:06
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

Part3
「グッ!!」
右腕を押さえながら灯はひとまず退いき、二人の間が3mぐらい離れた。ただ、灯の右腕からは大量の血が流れている……こりゃ、早く押さえないと不味いな。
「……俺の死を犠牲に貴官も逝け」
灯の能力、「瞬撃」……形勢がピンチ、またアドレナリンが最高潮になったときに発動する能力。地面を撃ちつけるだけで周りに300m/sの暴風が吹き荒れるぐらい強くなる。
 問題は、能力発動して倒したのはいいが灯自身も体力の消耗で死ぬ可能性がある。そんなことは承知だろうだが、今死を覚悟している顔をしている灯を止めることは僕にはできない。
 一瞬で差を縮めるとナックルを兄の腹へ叩きこんだ。躊躇なしで叩かれた腹は大きくへこみ、兄の口から血が流れた————
「うぅ……」

兄の腹はすぐに二次元のように薄っぺらくなっ……
「おいおい、激しいのは正直きついぜ」
……元のきれいな腹に戻った!? 大体の回復能力はゆっくりと治っていくのが普通……能力は意識しないと発動しないからだ。だから即死攻撃は能力者にも有効なわけだ。普通あり得ない……さすが「闇の医者」としかいいようがない。
相手を評価しているうちに灯の顔がだんだんそうめんの色のように青白くなっていく
「一度、引け!!」
灯が無理やり体を動かして逃げ、灯を助けるように前に立ちふさがる。
「……何故!?  何故倒れん!?」
灯は崩れるように壁に寄りかかり、策士を守ろうという意思が支えていたがメンタルでは身体を完全サポートできない。仲間が倒れる音を聞きながら、ダーツを構えた。
「いい度胸だ。だが、セッティングができたからな……少しばかり眠ってもらおう」
「は!?……なんだと?」
足が重たくなってきた…………頭が痛い……
「催眠ガスだ。僕たちは、結ヶ城神奈を捕まえに行く。ではさようなら」
なんで……
「弟〜 よし、いくぞ」
な……んで

【兄は防毒マスクをつけてないんだ!!??】
弟はマスクをつけているが、兄はつけていない。なのに倒れない……まさか……
                                       Part4へ続く