複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【参照3000記念。】 ( No.324 )
- 日時: 2012/05/10 23:03
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
Part4
敵が倒されたことを確認すると二川一(兄)と二川一(弟)はハイタッチした。
「どうするの?兄さん。こいつら……」
「五階に空き部屋がある。さっきも、五人ばかし入れてきたあの部屋があるじゃないか」
「了解」
「まだ、マスクを外すなよ。俺たちも眠ってしまう」
「僕たちのスキルは『一身同体』。これがわからない限り、僕らは負けない!」
「ククク……はしゃぐな。弟……」
二川一の能力は『一身同体』……二人同時に攻撃しない限り、ダメージを食らわない能力。
二人がお互いに笑い合っているところだったが————
「我の手にかかれば、こんな睡眠ガスなんかすぐ片付く」
「俺様はその自慢はどこから来ているかこいつらに解剖してもらいたい」
「『清浄機』を使っている我を愚弄すると?」
「だいぶ薄くなっているからな……たぶん大丈夫だ」
誰かの両手が策士と灯を引っ張ると同時に暗闇からスーツ姿の青年が現れた。そして、ゆっくりと幽霊みたいに黒いスーツを着た男が現れた。能力を作る能力『能力創り(スキル・メーカー)』佐久穂轍、「無」になる能力『困惑造り(トラブル・メーカー)』立菊和馬だ。
二人は別に兄弟を相手にしないそぶりで、灯と策士の看護をしていた。
「「……あのう」」
「灯は重傷で、輸血が必要……策士は寝ているから起こせ」
「「ちょっと……」」
「了解」
「「無視するな!!」」
「あとは、策士に任せることにしよう。なんせ、出番がまだないからな」
「「ここでまさかの無視続行!?」」
轍がよっこらせと灯を背負い、策士を殴打している和馬。
「……あ、頭が……」
頭を抱えてうずくまっている策士に轍はそばに寄った
「大丈夫だ。単なる催眠ガスだからすぐ元に戻る」
「……一つだけいいですか」
「なんだね?」
「あいつらは、僕に任せてください」
真剣な目つきで轍をにらむと
「わかった。わかった。存分に戦うがよい」
「待たせたな。兄弟……」
頭を押さえながら片目で睨みつける策士に帰ってきたのは嘲笑だった。
「また、倒れるんだろ? 僕たちのスキルに勝つ者はいない」
「実は、この桜策士の能力……君たちはスキルと言っているそうだが、文章で読んだ内容とは違う力を持つ。【司令官として、文章での状況を頭の中で完璧に整理して最善の作戦を立てる能力ではない】。では、策士の能力をご覧あれ」
策士の口が笑った。
Part5へ続く