複雑・ファジー小説
- Re: 罪とDesert Eagle 【5月29日三階戦更新。】 ( No.330 )
- 日時: 2012/06/03 20:31
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第三階戦の続き「オニゴッコ」
能力者の中でチート能力を持つ人間はごくわずかの人間しかいない。なぜかはまだ解明していないが、その情報は敵と戦うにはとても有意義な物だ。
有鳥が肉体強化の能力だったら大体の確率で体力の回復能力はないということになる。だったら、とことん遊んでやろうじゃないか。
「壁を作って、壁を作って……」
雅明は有鳥を追いながら壁を作って進まないように妨害する。俺は
「望! 走れ!! Go!!」
人間という肉体を酷使して走った。実際のところ有鳥の速度は俺と同じぐらいだから追いつくだろう。
「有鳥!! いい加減お縄につけ!!」
「すみません。許してください」
「謝って済むなら僕たちはいない!!」
スケートボードを使っている雅明となるべく疲れないように走っている有鳥を追っている俺は
(もう……許してやったら? 正直疲れたぜ。)
心が折れそうだった。(身体的に折れる前に)
走って、壁を乗り越えて、走って、乗り越えて——五分たった。ようやく部屋に閉じ込めることができた。が、いつすり抜けるかわからないと緊張したい……髪の毛は汗で濡れていて、手に握っているH&KMk23ソーコムサイレンサー付きが滑りそうだ。
「避けそうなら、これだ。M249ミニミ」
ちょっと待て、それは手に持って扱う武器ではないぞ? 6キロぐらいある支援用機関銃を抱えるように構える雅明を少しばかり畏怖した。大体、そこまでしなくてもいいと思うのだが……
「くッ!! それでも逃げます!」
「喰え」
鈍い機関銃の音が室内に響き渡った。機関銃はスナイパーライフルとは違って命中率が低い。それは一人に対してであって、戦場では敵兵を塹壕から出させないようにするために弾幕を張る役割があったため大人数だと当たる確率が高い。つまり、どうやって弾が飛んでくるかは誰もがわからない。
「やっぱり無理!」
有鳥が弱音を吐いた途端、弾が右足を貫通した。本来、ここで急接近してCQBをするところだが
「ハハハハッハハハハ」
ミニミを打ち続けていることに楽しんでいる雅明は弾を撃ち続けていた。装弾数が200発ぐらいだからすぐ終わると思いきや、『物体造り(アッシャーメーカー)』によって無限に弾を撃てるようになっていやがる。まったく、仲間のために自分の欲望を押さえてほしいものだ。
右足を無理に動かして弾丸を躱すと背中に背負っていた巨大な十字架を
「赦して許してゆるしてユルシテ許して赦してユルシテゆるして!!!!!!!」
振り落した。
背負っていた十字架は、十文字槍と同じようになっていたため下手したら首が刈り取られる。
「雅明!! 避けろ!!」
俺は、ソーコムを構えながら二人の間に踏み込んだ。