複雑・ファジー小説

第4章 パートナーとボッチ女子 ( No.10 )
日時: 2012/04/11 13:44
名前: 緋賀アリス (ID: 35AN48Qe)

誰かの叫び声が聞こえた気がした。せっかく熟睡していたのに起きてしまったじゃないか、そんな悪態をつきながら如月梓はベッドから出る。
時計を見るともうすぐ午後9時、12時間以上寝てたことになる。
親には頭痛と熱と言って学校を欠席したが、実際は違う。
梓「………!」
昨日受けた傷が疼く。傷といっても痣のようなもので、痛みもたまにあるだけでとても疲れるだけだ。
ケータイがなった。1週間に一回なるか、ならないかのこのケータイがなった時の相手なんて相場が決まっている。
梓「……マチルダか…」
ケータイを開くと案の定マチルダからのメールだった。

梓へ

体調どうですか?
今から部屋行ってもいいですか?
朗報があります。

マチルダより

メールだと語尾が「ですぅ」にならないから笑えてきた。体調はいいとは言えないが、マチルダは私にとって医者のようなものなので、「構わない」と返信しておいた。しかし朗報って何だろう………
まもなくマチルダがやってきた。
マチルダ「元気してるですぅ?」
梓「元気とは言えないわ………明日も学校休みそう。」
マチルダ「そうですかですぅ。」
梓「鏡の魔女に手間取ってたら、誰が見たか知らないけど噂になっちゃって……まずいと思って…でも逆に倒されちゃった………そういえば朗報って何?」
マチルダ「そうですぅ!梓のパートナー候補が見つかったのですぅ!これで梓も一人じゃないですぅ!」
梓「私は好きで一人で戦ってるのよ、だからいいわよ」
マチルダ「そうとはいかないですぅ。本来なら呪人は二人で戦うべきなのですぅ。」
梓「とにかく、私はいいから」
マチルダ「うぅぅ、でmってあ!ドラマ始まっちゃう!!とにかく明日パートナー候補と来ますですぅ」
梓「あ!ちょ、待ちなs
言い終わる前にマチルダは消えていた。

マチルダ「……………という話だから協力してほしいのですぅ。」
蒼乃「……はぁ」
あれからちょうど一日たってマチルダから大事な話があると言われて待っていたがパートナーなんて制度があったとは………しかしいきなり、これといって友達が多いわけでもない私に、学校でボッチな子と仲良くなれと言われても………
マチルダ「そこを何とかですぅ!梓は蒼乃より1ヶ月早く呪人化したのに、パートナーになる人がいないから、ずっと単独行動だったのですぅ。でも流石にまだ始めて間もないのに一人で戦うのには限度があるんですぅ。現にこないだだって鏡の魔女に負けたのですぅ。それに蒼乃だってパートナーが今いないんですよ、丁度いいじゃないかですぅ。」
鏡の魔女って…私が昨日戦った奴の親玉って事か。そいつに負けたんだ………
蒼乃「だからね、私はたまたま学校に話が合う人がいただけで、話が合わない人とかと仲良くするとかできないの、だから向こうの子もそんなんだったら、パートナーになるなんてできないよ…」
マチルダ「友達がいないって事で話が合うですぅ!」
さて夕食でも食べるか(怒)
マチルダ「ご、ごめんですぅ!でも頼むですぅ。せめて会ってみてくださいですぅ。何かお礼しますですぅ。」
蒼乃「会うくらいなら…でもお礼って具体的に何?」
マチルダ「例えば………魔法の歴史についてとか呪人の歴史についてとかを話してやるですぅ。」
えぇ、お礼ショボい………あぁでも呪人についてならひとつ聞きたいことが、
蒼乃「呪人って私たち以外にもいるのよね?」
マチルダ「はいですぅ。蒼乃と梓以外にも私が手伝ってやった呪人がいるですぅ。」
蒼乃「その人達は全員パートナーがいるの?」
マチルダ「勿論ですぅ。」
蒼乃「じゃ、じゃあさ…お、男同士のペアはいるの??」ハァハァ

以下蒼乃の妄想
「ぐはっ」
「い、一樹!ば、馬鹿!俺を庇って、こんな!!」
「杉田君を守れたなら…………僕の本望です…杉田君、最後に笑ってください、………君の笑顔は僕にとって太陽なんd……
「い、一樹ぃぃいぃぃいぃぃ!!!!!」

蒼乃「ほああぁぁぁぁぁハァハァヤバいヤバいハヒハヒハヒはぁあぁぁぁぁぁ(発狂)」
マチルダ「狂気の沙汰ですぅ。」
蒼乃「それで………いるの?いないの?いるんだったら………後でみっちりしっかり聞かせてハァハァ」
マチルダ「いないですぅ」
ちょっと死んでくる(絶望)
マチルダ「いや、いないわけではないんですが……あれは、男同士っていうのですかねぇ?いや、違う気がしますですぅ。やっぱりいないですぅ。」
蒼乃「??いないの?何じゃあしょうがないや………でもまぁ、会いに行くくらいならいいよ。早く連れてって」
マチルダ「はいですぅ!」
マチルダが天井を指指すと辺りが光りに包まれて、その光りに吹き飛ばされるような気分になって…

マチルダ「着いたですぅ」
蒼乃「意外と数秒かかるのね」
マチルダ「二人だから遅くなったですぅ。」
蒼乃「へぇ、…って」
ここは恐らく私のパートナー候補の部屋だろう、ぬいぐるみやらハート柄のカーテンやら、女の子らしい部屋だなぁ。それで、ということは今、目の前でブラジャーをはずそうとしているのは………
色々把握するには、少し時間がかかり過ぎた。
梓「きゃぁぁーっ!!!」
マチルダ「ご、ごめんですぅ!!!」
再度辺りが光りに包まれて、今度は、私の部屋にいた。
蒼乃「まさか着替え中だとはね、ってか連絡くらいしときなさいよ。」
マチルダ「うっかりしてたですぅ…でも大きかったですぅ。」
蒼乃「??胸の事??」
確かに私よりは絶対あったな。壁のような胸のマチルダは羨ましいのかもしれない。
マチルダ「壁は余計ですぅ。これから大きくなるですぅ。」
蒼乃「ふーん。」
マチルダ「そんなんだから友達ができないんですぅ。ここは励ますか、キッパリ否定して笑いをとる所ですぅ。」
痛い所を突いたな。
携帯がなった。私のではないからマチルダのか。
マチルダ「どうやら着替え終わったみたいですぅ。また行くですぅ。」

〜in梓の家〜
梓「如月梓です。あなたと同じ学校で2年A組です。」
蒼乃「へぇ同い年……私は沢城蒼乃です、2年C組です。」
蒼乃・梓「………」
マチルダ(なぜそこで黙る!?)
蒼乃・梓(………キマズイ…)
蒼乃「この度はパートナー候補に選ばれたですぅ。よろしくですぅ。」
梓「こちらこそ」
蒼乃(完全にスベッタ!)
マチルダ(何私のマネしてるですぅ!!もっと喋れですぅ!!!)
梓「………」
蒼乃「…アセアセ」
梓「………」
蒼乃(モウオテアゲダ-\(^-^)/アキラメタヨー暇だから妄想でも……何かお題お題…)
部屋中を目で探ってみる……クローゼット、机……ぬいぐるみ置きすぎじゃね??、後、それから本棚……!!!!!
その時素晴らしい物が目に止まった。
テ、テ〇スの王子様じゃあないかぁ。しかも全巻!いやぁこんな趣味がこの娘にあったとはぁ、侮れんなぁ
マチルダ(何テ〇スの王子様ガン見してるですぅ。←梓から借りて読んだ)
蒼乃(やっぱりね、鳳宍だよね、うんそれ)「に限る。仲良くなる→からの鬼畜攻め!!エキセントリック!!腐ぅう!もうあの泣き叫びながら喜ぶ姿がボンバヘッ!うわっほぅ!」
マチルダ(蒼乃!!途中から心の声が駄々漏れですぅ!※上の蒼乃のセリフをよく見るですぅ。)
梓「………沢城さん?」
蒼乃が梓の両手を掴む。
蒼乃「如月さんぃぃぇ梓さんぃぃぇ如月!ぃぃぇあずs、梓!!!」
マチルダ「噛んだり言い直したりしすぎですぅ。」
梓「!?」
蒼乃「えぇ問題ないわ!何ら問題ない!好きな漫画が合えば友達、CPが合えば親友だものね!!私は梓って呼ぶわ!!!だから私の事も、蒼乃でいいよ!!!!」
梓「ぇ、ぃや…蒼乃…??」
蒼乃「ちなみに他にどんなキャラが好き!?CPは!?!どこの学校派!?ぁ、明日よかったらうちに薄い本読みに来ない??」
梓「ぇ、あのそのCP?跡部さんが好きですけど……ぇと学校は……??」
マチルダ「あぁドラマ始まっちゃうですぅ!!蒼乃帰るですよぉ」
蒼乃「何言ってるのまだ8時にもなってないじゃnって」
マチルダと蒼乃は帰っていった。

〜in蒼乃の家〜
蒼乃「ちょ、ちょっとせっかく梓の!!」
マチルダ「落ち着いて自分の言動を振り替えるですぅ!!」
蒼乃「えぇ!?」

ポクポクポクチーン

蒼乃「終わったあぁぁぁぁぁぁぁ!何一般人に発狂してんだよぉぁぁぁ!相手ドン引きじゃねぇのぉぁぁぁ!テ〇プリ持ってるから腐女子だと思ってたぁぁぁってか腐女子だったとしても、何を根拠に鳳宍好きだと!?うわぁぁぁっ!!!!!」
マチルダ「極度の緊張のせいですかね、確かにキマズイ雰囲気だったですぅ。一応同情するですぅ。」
蒼乃「終わったあぁぁぁぁ」
2日連続で腐女子の叫びが月夜に木霊した。