PR
複雑・ファジー小説
- Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.11 )
- 日時: 2011/12/17 20:48
- 名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
第5話
今回ばかりは、フィオナに一理ある。
どうして、今までとは違う、言い伝えの生き物なんかの授業をするのだろう。
まぁ、それもまた楽しそうだけど。
ルースティ先生はきりりとした表情に戻ると、「ん、んん」と、咳ばらいをした。
「なぜ、今この「夢喰い」の話をするのかと言いますとね。東洋のくにより、この「夢喰い」の発生が見られたという情報があるのです。いましなくて、いつこの話をするというのです?いましなくては大いにもったいないことかと。さ、話を続けましょう。」
そんなこと言うのならば、この現状について語ってくれればいいものを…
って先生に言ってやりたかったが、面倒くさくなりそうなのでやめた。
先生の長いお小言は眠くなってきて、面白くないし。
先生は夢喰いが起こした事件をちまちまと長ったらしく喋りまくった。
実際の夢喰いの写真なども、教科書に載っていた。
ふと、その一枚にメグは目を向けた。
あれ…?
その少年にはなんだか見覚えがあった。
実際見たことがあるという訳がない。
だけど、なんだかとても懐かしくて…。
思い出せない。いくら頭を絞っても、その記憶は全く出てこない。思い出せないもどかしさ、頭と心が何だかむず痒い…。
多分、他人の空似というやつなんだろう。
でも…そんなことって?
人間と、人間ではないものが似ているって?
メグは頭をふるふるふって、その考えをかき消した。
お隣のパン屋さんの旦那さん…。バッキンソンさんはそのペットのチャッピーにとてもよく似ている。
そうだ、そんなことってあるんだ。
でも…本当にそうなのだろうか?
その、むすっとした顔の怪しい少年には、昔何処かで出会ったような気がしてならなかった…。
PR