複雑・ファジー小説
- Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.12 )
- 日時: 2011/12/18 00:06
- 名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
第6話
全部の授業が終わると、避難所に付属の個室に皆次々と帰って行った。
家にいると、フェルヴェリオに捕まるかも知れないとのことで、今日からこの避難所での生活が始まったのだ。
それに、大人たちは既に
—フェルヴェリオの牢の中—
子供たちだけで家にいるわけにもいかないのだ。
メグは、あの夢喰いと表された少年の事が気になっていた。
濁った瞳の不思議な少年。
何処かで見た気がするんだけど…。
やっぱり思い出せない。
はぁ、やめやめ!
余り無理やり記憶を穿り出そうとすると頭が痛くなる。
面倒なことはやらない方がいい。
だって面倒だから。
さあ、もう部屋に戻る時間だ。
メグはみんなを引き連れ、部屋に帰って行った。
『君はどうしてすぐにありえないっていうんだ?』
太陽の光がはとはの間からてらてら漏れている。
木漏れ日っていうんだろうか、スポットライトのように差し込む光
声の主は可愛い子供みたいな笑顔で私…メグに言う。
『有り得ちゃったことなのに。どうして有り得ないんだよ』
ニコニコ笑いながらも説教めいた言葉…。
金髪のちょっと長い髪、黒に緑が足されたような不思議な色の瞳、しわくちゃの背広、私より少し小さな背。
『君は、臆病者で、きっと君の周りに広がる世界をよく見たことがないんだろう。だからそんなことを言うんだな。』
臆病者!?
今でこそたくましくて、目立ちたがり屋のメグ。
臆病だなんていわれ、少しの間あっけにとられる。
でも、なんて可愛い人なんだろう…。
心惹かれてしまいそうな笑顔だった…。
「な、なんてことを」
『ねぇ、もう少しよく見てごらんなさい』
ちいさな手でメグの腕をつかむ誰か、その力の強さにメグはおののいた。
さっきまでのふわっとした感情は消え、ぎょっとし、恐怖を感じだ。
この子といたら、私はひねりつぶされてしまうんじゃないだろうか…。
『世界を…!』
彼はそのまま、メグの腕をもぎ取るような強さで握り、ものすごい速さで駆けだした。
メグは気絶した…。