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複雑・ファジー小説
- Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.24 )
- 日時: 2011/12/23 10:08
- 名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
第12話
「ねぇ、振り返らないように言ってあげたのに。どうして君は振り返ったのかな?」
…あれは、彼の言葉だったのか。
小さな子供に語りかけるように彼は語った。
優しく、柔らかく、にこやかに…。
こっちまで優しい気持ちになる笑顔なのに、どうしてか恐怖を感じる。
「え、だ、だって…帰ることに必死になって…」
「必死に?ふぅん。そうやって君は言い逃れをして…僕らの事、死に追いこんだったんだよな」
思いもよらない言葉。
彼は…何を言っているのだろう。
「僕…あの子の事を裏切り、迫害した魔女め。」
え…?
恐ろしい言葉、魔女…?
私が…?
いいや、メグ!恐れることはない。
だってこれは夢…
夢?
そう思った瞬間、視界が歪み、だんだん、世界は色を変えた…。
醜いむらさきにかわり、そして何も見えなくなった。
「ハッ!」
目が覚めた。
ここはみんなと共有の寝室。
窓際のベット。
朝が…朝がやってきたんだ。
「こ、怖かった…。」
ふぅ、恐ろしい夢だった。
殺されるかもしれなかったんだ。
でも夢だったから、メグは助かったんだ。
一息ついて。
メグはベットを出た。
ただ…
—あの夢はただの夢ではなく、何か…災いの前触れではないのだろうか—
なるべく気にしないようにしていたが、そんな気がしてならなかった。
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