複雑・ファジー小説

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.33 )
日時: 2011/12/26 10:21
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)

第15話

そんな彼女の事を見ると、なんか…。
今までなんかすごい優等生みたいなのイメージだったのが一気に壊れた。
そういえば彼女が誰かと言い争いをしているところを見たことがない。
こう、自分に向かってぐわっと言いかかられるのって、慣れてないのかもしれない。
大事にされて生きてきた。みんなに正当化され、自分が正しいのだと思って生きてきた。
そんな彼女の本当の姿が今、ほんの少しだけ見えた気がした。
情けない女。
自分は相手の事平気で言うくせに、言われると何もできないだなんて。
やっぱり好きになれる気がしない。

フィオナは先に部屋を出た。
メグはなんか、複雑な気分だった。
夢喰らいに、うまく付き合えないクラスメイト。
面倒なことを二つも抱えて…。
でも、それでもめげたりするのは自分らしくもない。
だから今まで通り、思った通りに動けばいい。
頑張れよ。そう自分に言い聞かせた。
それにつけても…。

『必死に?ふぅん。そうやって君は言い逃れをして…僕らの事、死に追いこんだったんだよな』
『僕…あの子の事を裏切り、迫害した魔女め。』

彼のあの言葉…。
あの圧迫感。
私が、彼に何かをしてしまったらしい。
でも、そんなの思い出せない。彼は教科書で見た夢喰らいなのだから…。
初対面に等しいともいえる。
でも、どこかで見たこともあるんだ。
………
思い出せない。