複雑・ファジー小説

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.44 )
日時: 2011/12/30 20:37
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第24話 

…見る限りこの人は、
・フェルヴェリオ人
・怪しげなバーサン
・話しかけない方がよさげ。

まとめ、フェルヴェリオ人の怪しげな話しかけない方がよさそうなバーサン。

メグはシカトをすることに決めた。もしもフェルヴェリオ兵だったら捕まったらただじゃすまない。
足早に、メグは北西へと歩き出した。

「困ってるおばーちゃんを見捨てるつもりなんですかぁ?ヴァンヒッティの生徒も落ちましたねぇ…。」

ちょっと待て。
まぁ、確かにここは逃げた方がよさげなんだけど、身内が悪く言われてんのに逃げるのもちょっと気が引けた。
ここはもう、お得意の作り笑いで。

「なあに、お婆さん。」

ニコニコとメグはひきつった笑顔を見せた。
婆さんはふっと鼻で笑うと、特にメグのひきつった笑顔を気にするでもなく、話を続けた。

「髪の毛をくれないですかねぇ、一本でいいのです。一本だけあなたの髪の毛欲しいんですけどもぉ」

…やはり、シカトすればよかったかな。

「どうして、髪の毛がないとあなたは困るの?」
「…んぅ?気になんのかいぃ?」

それはそうだ。こっちだって急いでるというのに、そう言われては困るのだ。
本当にやめていただきたいものだが、このお婆さんには何を言っても通じなさそうな気がする。
たいてい、年よりは強情なもの。そう諦めておこう。