複雑・ファジー小説

Re: 世界の気紛れ ( No.4 )
日時: 2012/01/05 00:43
名前: 楼 (ID: HdidGBSx)


   ___第一章   「とりあえず」




            第二話   「嫌ですから」






「起きろぉ!!」




怒号と共に勢い良くドアが開いた。



凄まじい音を立てたドアは気にせずに、青年は部屋の奥へと進む。
そして、隅っこに設置してあるベッドに近付く(あの音でも微動もしていない)。


青年は布団を持って勢い良くめくった。
それも漫画であるように華麗にどこかにひっかかるわけもなく綺麗に。
そして、ベッドの上で未だに丸まっている青年とさほど年は変わらなさそうな青年を蹴り上げた。



「___いって!」

「そりゃ、蹴ってますから」


しれっとめくった布団を畳みながら青年は返す。


「・・・・・・一応俺はお前の上司なんだぞ、上司」

「知ってますよ、それぐらい」

「上司を蹴り上げるなんていい度胸してんな、紫安(しあん)」

「・・・・・・腹が立つからって人の嫌がっているあだ名を使うのは大人げないですよ」

「・・・・・・嫌がってるも何もお前の呼び名はこれだけだろ」



そうですけどね、と青年は続けて部屋を出て寝坊した上司の方に振り向く。



「・・・あんた以外は全員揃ってるんです。早くしてください」



最初の部分を強調し、紫安と呼ばれた青年は会議室へと歩いていった。


残された上司は苦笑いをして、青年に続いて会議室へと向かった。












「・・・おはよう、諸君!」

「・・・・・・朝からそんなテンションで来られてもうざいだけです」

「紫安、煩い」

「ですから嫌なんですよ、それ」




全員が揃っている会議室に遅れた上司に青年は奥の部屋で行った同じようなやり取りをする。
このような場面は何回も見ているので、先ほどの女性を含めたメンバーは無視である。



「・・・私たちを集めた理由をお聞きしたいのですが、よろしいですか?」


その先ほどの女性は、このやり取りを綺麗にスルーして冷たく言い放つ。
これもいつもと変わらない場景なのであまり気にしない。


「・・・・・・もう少し乗ってくれてもいいんじゃねぇの、乃亞(のあ)ちゃんよ」

「・・・ついでなので言いますが、私もそれ気に入っていませんから」

「・・・そこは乗らなくていいんだよ」




と、どうでもいい内容の無い会話を繰り広る(これもいつもの光景なので誰も気にしない)。
そして、上司は紫安と先ほどから呼ばれている青年を見て一言。



「紫安、お前が言え」

「・・・ですから嫌だと言ってるでしょ、それ。それと、僕が言うのも嫌ですから」



と、青年は眉間にしわを寄せる。


このように、なかなか話が進まないのもいつも通りなので誰も何も言わないのである。






                                To be continued.