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複雑・ファジー小説
- Re: あやかしの花嫁【更新】 ( No.45 )
- 日時: 2012/03/20 15:31
- 名前: 刹那 ◆V48onzVAa6 (ID: vWRv9TUU)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
—————ぽつ、ぽつと言ノ葉だけが反響する空間で、女は独り言のように語る。
ひとつ、昔話をしましょうか。
〝鵺〟が先頭に立ち、人間界から後にあやかしの世界と呼ばれる異世界へあやかしが逃げ延びた時。
その〝鵺〟の頭領は、黄金色の瞳に、艶のある黒い羽をしていたそうよ。
そして、「陰陽演舞jという技を持っていた。陰陽を反転させる程の強大な力を秘めた技だったらしいわ。
それは、〝鵺〟の秘技として伝わるようになった。
だけど、その〝鵺〟の頭領の孫は無能に近い能無しだった。孫の親、つまり〝鵺〟の頭領の息子も才能があったのに。
それからよ、〝鵺〟の力が弱まってきたのは。
やがて、〝鵺〟はその名と過去の栄光だけで王を務めるようになってきた。
もう「陰陽演舞」は伝説。真か偽りかも分からなくなった。
……だけど時折、選ばれし王という者が生まれるの。
その者は、〝鵺〟の頭領の力をそのまま受け継いだ、「救世主」として現れる。
そして、その隣には必ずその者を支える愛おしき人物がいるの。
重き運命を背負った選ばれし王を支える者が。
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