複雑・ファジー小説

Re: 童話の国のアリス 第15章 ( No.79 )
日時: 2012/05/02 14:55
名前: 竹中朱音 (ID: hsews.TL)

第15章〜女王の好物

「うぐ!なんなのいったい!!」

顔から本をはがすとそのページには

「シンプルに【黒コショウと豚のソテー】なんてどうかな?これなら簡単だしね!」

「ソテー…いいわね!でもタルトにソテー、作る時間なんてあるのかしら?」

「ないよ!だから君にも手伝ってもらうのさ!」

「え…えぇ?!」

思いもよらないビルの言葉、まさかコックが手伝えだなんて。

「無理よ!私料理できないわ!」

「そんなことないさ、ボクがちゃんと教えてあげるさ」

そういって倉庫から黒コショウに薫りつけのハーブ、油とブロックの豚、卵と砂糖と…いろいろな食材を取り出す。

色々な食材が用意されていく中で手伝えと言ってもどうしたらよいか解らないアリスは、ただ立っているだけ。



「君、ドレスじゃ料理できないだろ?」

「ええ、生憎ね」

だってお城に来て料理をするだなんて知らなかったわ?

「指輪をはめている手で服を撫でると【アリスの服】になれるよ」

「なんでそんなことを知っているの?貴方コックでしょ?」

「小耳にはさんだ話さ!まぁ嘘かホントかまではボクにも解らないけどね」


そういいながらビルは卵を割って銀のボウルに泡だて器でカチャカチャとかき混ぜる。
そうにも信用性はないが、言われた通りにやってみた。





するとどうだろう、指輪と服は光だし、たちまち元のアリスの服に早変わり、そして前回の戦いでほつれたところが新品のようになおっていたのだ。


「さぁさぁ!料理の始まりだ!」