PR
複雑・ファジー小説
- Re: 赤い地球と白い宇宙 To the last future ( No.1 )
- 日時: 2012/01/30 07:41
- 名前: 木月奏 ◆9UkOGtZTdE (ID: bJXJ0uEo)
- 参照: 近未来創造、想像
プロローグ
「なぁ、ガガーリンがさ、今宇宙いったら地球のことなんていうと思う?」
「地球はやっぱり赤かった! みたいな?」
「僕が思うに、どうしてこうなってしまったんだ……! みたいな感じじゃないかなぁ?」
三人の男女がとある進学校の制服を着ながら赤い空の下を歩く。三人はなんの変哲もない唯の高校生だ。唯一他の高校生と違うとすれば、その制服が各中学校の卒業生の中でも偏差値が異様に高い者だけがスカウトされる、NASAの宇宙飛行士が特別講師をする宇宙開発学部のある日本有数のマンモス校の制服であるということだけだ。
「てゆーか、前の首相からだっけ。NASAの高校できたのって」
少女が首をかしげながら一緒にいる男たちに聞く。彼らは、少年というには大人っぽく、青年というには子供っぽい、曖昧な表現しかすることのできない風貌だった。背の高い青年はん〜……と考えながら歩を進める。背の低い青年は、あぁ、そんなこと? と呟いた。
「まー……。そんなこと、今はどうでもいいんじゃないかな。今大事なのは、三人が一緒にいることと」
「僕たちで、地球を元に戻す方法を考えること、だろい?」
「……そだね」
一人は真面目に、一人は呆れ気味に、一人は少し寂しげに言葉を紡ぎ校門をくぐり、NASA高校の敷地へと足を踏み入れた。
PR