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第24話

豪華なシャンデリア、真っ黒な壁、赤い絨毯。
蘇る記憶＿＿。

ここでサタンと戦った。ギリギリ勝ったけど、私への反動が強くて、もう少しで死ぬところだった。
“未来”の瑠衣さん＿ルカに助けられて私は生き延びた。
それから、それから＿＿！

〜回想〜

にっこりと笑って近づいて来る人。懐かしいと思ったからか危険は感じない。
その人を目を凝らしてじっと見る。
女の人。細い身体。艶やかな髪。この笑顔。…まさか…。

「詠崎…… 詠崎先生…？」
「思い出したのね？」

何時の間にか涙は乾いていた。

先生は私を静かに抱く。マントで優しく包み込む。
その温かさに凄く安心した。
私に『大丈夫だよ』とでも言っているような……。
〜回想終了〜

それから一瞬ふっと軽くなって……。
駄目だ…… もう思い出せない。

なんでここにいるのか全然分からない。
もう一度見回す。
戦った場所は王の間。中央に王の玉座があったはず。
でも、ここは赤いテーブルクロスがかかった黒いテーブルがひとつと、黒い椅子がある。
玉座なんて無い。
つまり、ここはサタンと戦った場所とは違う場所…？

「……んで……き……だ…」

！？

な…んで……サタンの声が………！？

「……がない………な……と…」

！！？

この声……



詠崎……先生………！？