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◆第01話


「幸夜先輩っ！」
今日こそ訊く。絶対訊く。今まで何度も失敗したけど、今日は絶対訊くんだっ！

ーー幸夜先輩を好きになったのは1年の部活入部した時でした。
あのルックスに一目惚れしたんだよね。
それから、優しくて、カッコよくて……　そんな先輩をどんどん好きになっていったんだよねーー。
松浦先輩から幸夜先輩って呼び名が変わったのは、幸夜先輩がそう呼んでくれって言われたからなんだよね。あのときはなんか特別みたいだって浮かれてたんだっけ……。

あれから1年。今日こそ、今日こそ絶対に訊くんだっ！！

「何？」
がんばれ瑠衣！！
鼓動が鳴り響く。
「幸夜先輩って、すっ好きな人いますか！？」

いっ言えたっ！！
……でもここからが本番！！
さっきより胸の鼓動が速くなる。


「いるよ」




ーーーえ……



「じっじゃあ、どんな人が好みなんですか！！？」

ーーーあっ……
　　　　　　　　　　つい……

でも……
　　　　　反応は…？

って先輩、顔が赤い……
　　　　　　　　　　　　　　　体調わるいのかな？

「お淑やかで頼もしい人ーーーかな」





















ーーー水憐。
頭に浮かんで来たのはいつもお淑やかで頼もしい水憐の姿。


　　　先輩は水憐みたいな人が好みなの？

そっか……　それじゃ、私には……


「そうなんですか……　…あっ　ごっごめんなさい！　こんなこと訊いて。わっ私、用事があったんでした！　失礼します！！」


全速力で走り去った。

さっきとは違う鼓動が、頭の中で響く。

ーー失恋確定だなーー。
　　　　　　　そんなことを思いながら。


ーーーそしてーーー


　　　　泣きながらーーーーーー。