複雑・ファジー小説
- Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.15 )
- 日時: 2012/02/25 21:16
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
「で、どうやって助けるんだ?」
ユイトの問いに二人は考え込む。そういえばどう助けるのか考えていなかったミヤに対してソリチュードはすぐに答えをみつけ、答える。
「俺とユイトが泳いで助けに行って、ミヤが船で助けに行くんだ」
「おぉ、なるほど!」
ソリチュードは自慢げに言い、ユイトとミヤは感心する。さすが、年上。二人の意見が一致する。
さっそく三人は助けに行く。ミヤは船で行くから問題ないが、ユイトとソリチュードは泳いで助けに行くので服とか着替えなくてはならないと誰もが思うことだろう。しかし二人はそのまま海へ飛び込んでいった。
「でも、海に落ちていったのが人じゃ無かったら? て聞いてないか」
ミヤが呟く。とりあえず、船で助けに行かないと。船に乗ろうとしたときにユイトの声が響く。
「オーイ、ミヤ! 人だった! 女の人が溺れていた! 俺達で何とかできそうだからミヤは待っていてくれ!」
「助けんの速っ!」
そうしてユイトとソリチュードは戻ってきた。黒い髪の少女を連れて。
「海に落ちた光ってこの子のことだったんだね」
「でも、何故だ?」
「世の中不思議だな〜」
「うぅ……」
「!?」
突如、少女が目を覚ました。蒼い目をしていた。まるで吸い込まれそうなぐらい美しい蒼。
「ここは?」
「ミーティア・アイランドよ! 貴女、空から降ってきたのよ」
「え? ミーティア・アイランド? 日本じゃない……? 空から降ってきた?」
日本。何処かの地名だろうか、少女が言った言葉は3人にとって疑問の種になるものだった。日本とは何処だろうか、そもそも何故彼女は空から降ってきたのだろうか。
「俺、ユイト、ユイト・ファルケ! キミは?」
「あたしは、あたしは……来衣。月城来衣」
「宜しくな! 来衣!!」
「……」
突然来衣が黙った。驚くユイトに首をかしげるミヤ。ソリチュードはなんとなく黙った理由が解った様だった。
「初対面の人にいきなり呼び捨てって、おかしくない?」
「え?」
不機嫌そうに来衣は言った。初対面の人に呼び捨てされたのが気に食わないらしい。何故だか本人にも解っていないが。
「ごめん……」
「今度から気をつけたほうが良いからね」
「はははっ、姉弟みたい! ね、ソリチュード!」
「そうだな!」
くすくす笑うミヤ達をみて、来衣とユイトは一度顔を合わせてから笑いだした。そして、4人で笑っていた。