複雑・ファジー小説
- 第一章「夢と流星の島国」 ( No.24 )
- 日時: 2012/03/17 14:11
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
「退屈ー」
机とベット、本棚とクローゼット。クローゼットの側には制服が掛けてある。綺麗に整頓された部屋は、青を基調としている。
そんな部屋で来衣はベットの上に仰向けの状態だった。
「退屈って言われてもな……それと、何故俺のベットに寝転がる?」
「えー、だってソリチュードの部屋って面白そうだし」
「はぁ……」
ソリチュードの部屋にて寝転がる来衣。それを見てソリチュードは、少々どころではなく、かなり呆れていた。
——なんで、コイツを居候させたんだよ。
ユイトとミヤが来衣のことを島の皆に知らせたせいなのか、ソリチュードの母が父を説得、と言うより、強引に承諾させたため来衣を居候させている。
——ほんと、迷惑だな……
ソリチュードの母は、来衣に部屋を与えたのだがこうして来衣はよくソリチュードの部屋に来るのだ。
家事などの手伝いはするし、料理は上手で、勉強も出来る。何回かソリチュードも教えてもらっていた。明るく、皆に親しまれていてよく来衣に好意を寄せてる人達は多い。
——しかし、なんでこんなにも俺の部屋に来るのかな……
「やること無いからね」
「いや、なら孤島へ行けよな」
「やだー、アタシ室内の方が好きだから。外で遊ぶとかメンドクサイ」
外へ行くのを嫌がる来衣。昔から室内でゲームするのが好きだった来衣にとって、ゲームが無かったのは苦痛だった。
——ソリチュードの観察も飽きたな。んー、図書館とか無いのかなー
「はぁ……」
小さくため息をついたソリチュード。なにやら鞄に本を数冊入れているよう。そして、横目で退屈そうにしている来衣をみて再びため息をつく。
「一緒に図書館行くか?」
「! やった!」
まさか、行きたいと思っている場所に行く事が出来るとは思わなかった来衣はここに来て一番喜んだのでは無いのかと思うぐらい、喜んだ。その光景は、欲しかった玩具を買ってもらった子供のよう。
「言っておくが俺が行く図書館はミーティア・アイランドには無く、隣のドリーム・アイランドに在るからな」
「”ドリーム・アイランド”?」