複雑・ファジー小説

Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.3 )
日時: 2012/02/26 13:39
名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)

「味噌ラーメンは……ってコレ、お湯入れてから4分後じゃんか!」

キッチンの隅にあるカップラーメンが入ったダンボールをあさりながらお湯入れてから何分後にできるか調べている。第三者からみたら物凄く変なんだろう。来衣本人は気にしてはいないが。
中々3分で出来るカップラーメンが見つからずイライラしている反面、ワクワクしていた。”平凡”がなくなるのなら、なにか”面白いこと”があるはず。幼い頃からの夢が叶うかも知れない。
……そんなこと起こる訳無いのに、夢を見すぎているのかも知れない。来衣は手を止め、窓から夜空を見た。星達が光り輝いている。月は夜道を歩く人の道しるべになるような明るさだった。

「明るすぎるのは、嫌いだな」

ポツリとつぶやいた言葉。昔から輝かしいものが好きではなかった。どちらかというと、その光を支える影の方が好きだった。影があるから光があるんでしょう? いつもそう思っていた。
ふと、なにかの異変に気付いた。夜空に裂け目らしきものがあった。最初は目の錯覚かと思って目を擦ってみても裂け目はあった。

  これが、”平凡”の終わり。今から”終末”の始まり。
  貴女はきっと何かを失う。でもその代わりにとても大事な物を手に入れる。
  貴女は、堪えられる? 辛い旅路を……

急に、聞き覚えのある声がした。聞いたことがあるのか曖昧だけど、何故か知っている声が、なにか挑戦をしてくるような言い方をしてきた。
終末の始まりって何? 何を失い、何を手に入れるの? 
頭が混乱してきて、一瞬ふらついた。そして、転ばぬよう踏ん張り、外へ出た。
目指すのは白那の家へ。




「はぁ、はぁ、はぁ」

アレからひたすら走った。白那の家にいったら白那が外出中で、白那の双子の兄である、黒希も居なかった。

「肝心な時に限ってなんで居ないのよ!」

走りながら愚痴をこぼす。いつものことだが、本当に大事なときぐらいは居て欲しいと思う。



だって、絶対——