複雑・ファジー小説

Re: また明日. ( No.16 )
日時: 2012/03/03 21:07
名前: coco*. (ID: /u41yojS)

第十三話【先輩から】※キス描写注意(あんまり上手くありません)

階段を駆け上る彼女。
(先輩、先輩)
何をするかも分からず、彼女は走るのをやめない。

「はっ、はぁっ……」

教室を通っていくと、それぞれの教室の先生に見られている。
今はそんなの関係ない、と思った。

進入禁止のさくを、いつもよりすばやく超えて、屋上の扉を開けた。

「陽斗先輩!」
「ん? ……あ、旭ー。今日は授業参加したのか。暇だったよ」
「……なんで遥ちゃんと付き合わないんですか……?」
「えっ?」

先輩は、目を丸くして黙ってしまった。

「さっき……、告白してるの聞いちゃって」
「あぁー……、なんだ、そうなんだ」
「どうしてですか?」
「え……えーっと、好きな人が、いるから?」

なぜか疑問系で言う先輩。
彼女は身を乗りだして聞いた。

「誰ですか?」

この気持ちを、知ってしまった彼女。
(先輩、好きです。誰よりも)
たとえ、この恋が報われない結果になっても。

(先輩が好きな人を言ったら、告白しよう)

そう、一人で心の中で思っていた。

すると。

先輩は彼女の頭の後ろ側を片手で抑えた。

「え、」

思わず声が漏れる。
どんどん、二人の顔の距離が近くなっていく。

「せ、せんぱ」

彼女と先輩のやわらかい唇が触れる。
驚いて彼女は先輩を見る。
先輩は薄目を開けて、彼女の目を真っ直ぐと見ていた。

三秒くらいで、唇はあっさりと離れた。

「……んっ」

思わず声が漏れて、手で口を押さえる。

「これで、分かった? 俺の好きな人」
「……へ」

(……?)

「そ、れは」
「だからっ……、旭なのっ!」

ぷい、と横を向きながら先輩。

「え……」
「へ、返事いつでも待ってるから」

そう言って、先輩は彼女の横を通り過ぎようとした。

「ま……待ってくださいっ!!」

反射的に彼女は先輩の腕をつかむ。
先輩は、ゆっくりと振り向く。

「あ、あたしも」
「え」
「陽斗先輩が好きです」

——こうして二人は付き合うことになったのだ。


——これから起こる、悪夢も知らずに。


——
なにやら可笑しな方向に進んですいません。
過去編早く終わるように頑張ります。