複雑・ファジー小説

Re: また明日. ( No.2 )
日時: 2012/02/20 21:40
名前: coco*. (ID: /u41yojS)

第一話『再会』


どうしたこっちゃ。

俺は前に立つ転校生の顔をまじまじと見た。
似てる。

「飯室旭です。……よろしく、お願いします」

おまけにしゃべり方まで似てるぞ、おい。

彼女の名前は飯室旭[イイムロ アサヒ]と言った。
俺の、中学時代の初恋の相手だった。

彼女は、ひかえめで内気で、とにかく人前に出ると顔が真っ赤になるほど、恥ずかしがり屋だった。

髪型はロングで、結ってないので風に揺れる髪の毛がすごく綺麗だ。

……って、変態か、俺は←

「どこか、空いてる席ー」

俺の隣は、いるから隣にはなれないか。

すると、俺の前の席の男子が。

「せんせ、ここ空いてる!」

と手をあげて先生に言った。
先生は適当に、「はい、じゃぁそこ」と飯室をせかした。

緊張しているのか飯室は、後ろも振り向かず、音もたてずにイスに座った。

「飯室旭ちゃん! あたし、森藍子! 同じ班だよ、よろしくね」

俺の隣の席の女子は、森藍子[モリ アイコ]という。
元気いっぱいで明るい性格だ。

俺の事を呼び捨てにする女子は、森くらいだろう。

森は飯室の肩を自分の方へ引っ張った。

「きゃ」と思わず飯室が叫びかける。

「あはっ、超可愛い! ね、日向!」

おっと、自己紹介が終わってなかった。
俺の名前は、渡辺日向[ワタナベ ヒナタ]。

飯室が俺の方に視線を向ける。

「……」

避けきれず、目がぴったりと合ってしまう。
飯室の目も、俺の目もまんまるだ。

「……ひ、久しぶりだな飯室。俺の事おぼえてるか?」
「何、何? 二人とも、知り合いだったの?!」

森が俺と飯室の間に入ってきた。
森の目には、はてなマーク。

「まー、中学一年くらいから。二年になったら、飯室が転校したんだよな」
「なぁんだ、付き合ってるとかそんなんじゃないんだ」

がっかりしたような表情で、森は頭をさげる。